犯人のいない殺人の夜 (光文社文庫)
東野圭吾は、長編も短編も書きこなすことができる非常に器用な作家であり、これまでの全64作品のうちには、17もの短編小説集がある。ただ、私は、これまでに、東野圭吾の全作品を読んできたのだが、彼の短編は、たとえば横山秀雄の長編を凝縮したような濃密な短編と比較すると、軽く、薄味な作品がほとんどであり、率直にいって、東野圭吾は、長編小説を読むべき作家だと思っている。
彼の短編集の中では、科学ミステリが売りの「探偵ガリレオ・シリーズ」が有名なのだが、はっきりいって、これは、見掛け倒しの物足りないものに終わってしまっているし、「しのぶセンセ・シリーズ」、「天下一大五郎シリーズ」、「怪笑小説」など、軽い感覚の短編集が大半のその他の作品中にも、傑作といえるものはほとんどないのだ。
そんな彼の短編集の中にあって、私が、彼の短編集の最高傑作と思っているのが、この「犯人のいない殺人の夜」なのである。この本は、東野作品としては、それほど読み込まれているとはいい難く、レビューの数も伸びていないのだが、そんな地味な扱いをされているのが本当にもったいないと思わせるだけの、レベルの高い7作品が揃っているのだ。
ここに掲載された7作品は、一見、読者の想定内のミステリと思わせるものが多いのだが、いずれもが、最後の一ひねり、二ひねりが効いている。特に、その中でも、「さよならコーチ」と「犯人のいない殺人の夜」は、純粋なミステリとしてだけの観点から読んでも、一級品のレベルにあると思う。また、「闇の中の二人」、「踊り子」、「白い凶器」、「さよならコーチ」、「犯人のいない殺人の夜」のラストの一文には、それぞれに別の意味で、怖さや強烈なインパクトがあるし、「小さな故意の物語」、「エンドレス・ナイト」、「白い凶器」、「さよならコーチ」では、長編でお馴染みの、東野圭吾お得意の読者の胸を打つ人間ドラマも味わえる。
アンフェアな月―刑事 雪平夏見 (河出文庫)
前作の「推理小説」も面白かったけど、今回も面白かった。
同じくらいの子供を持つ私には、誘拐された母親の気持ちが痛いほどよく分かった。
そして、前作同様、雪平の格好良さにほれました。
こんなに格好の良い人、小説の中にしか存在しないけど。
アンフェア the special 「コード・ブレーキング ~暗号解読」 [DVD]
店で見かけて、何の気なしに手に取った。
原作はおろかTVシリーズも一度も見ていないが、初めて見る人にも丁寧な解説がついていて、本作を鑑賞するにはおおきな支障はない。
ストーリは奇想天外というほどでもなく、登場人物が限られているだけになんとなく始めから読めてしまうが、それはそれとして刑事モノとしてはそこそこ楽しめる。ただ全体に色調が暗く重めで、これはそういうドラマなのだ、といってしまえばそれまでだが、刑事モノはあっさり勧善懲悪(=踊る大捜査線など)か、もしくは盗人にも三分の理(=太陽に吠えろなど)程度でまとめてもらえるほうがスッキリできていい。
想像するにTVシリーズは、勧善懲悪の爽快ではなく、謎解きとどんでん返しの連続に振り回されるような面白さがあったのだろう。その意味では、TVシリーズから入るべきであった。謎解きの答えから見てしまって失敗したかも知れない。
LOVE ~Singles Best 2005-2010~
今まで発売した3枚のアルバムもよく聴いてる、
由奈ファンですが(笑
歌唱力はホント、すごいです。
声は爽やかで、癒されています。
セリーヌと比べててしまうと、少し声が細い感じが
しますが、癖がなく、聞きやすいです。
ハワイ出身なので、英語の発音はとっても綺麗。
そして、Preciousは永遠の名曲ですね。
すばらしいです。
殺してもいい命---刑事 雪平夏見 (河出文庫)
「推理小説」:う〜ん、ドラマの方が面白いぞ。
「アンフェアな月」:うん、まあ悪くはないな。
と来て、3作目にしてやっと広くオススメが出来る作品が来ました。かっちりと作ってあり、伏線もしっかり。
「おい本当に終わるのかよ?」とハラハラさせながらきっちりと着地させました。意外な真相、面白かったです。
キャラがドラマで明確になっている所が読み進む役に立っていますね。また彼女らに会いたい。
エンディングはちょっとあまりにもあざとい-だってあれでは嫌でも続編を渇望してしまうではないですか-ので★一つ減らしましたが、新本格っぽくも完成度の高い作品になっています。これまでのシリーズ最高傑作なのは間違いないです。