【特典応募ハガキ無し】JAPANESE SINGER(初回生産限定盤B)
通産8作目、プロデューサーは平井堅と松尾潔の共同名義です。松尾氏のプロデュースは『gaining through losing』以来10年ぶりで、ライナーの最後に松尾氏の回顧録が2頁あり、非常に印象的な文章でした。
読むと何か平井堅という、うたうたいの意義深さを改めて実感したくなりました。実際に今作はJPOPシーンの中で彼が立脚する地平の面白みが存分に表れており、且つ今まで培った彼の引き出したちが
更に円熟を迎えつつあることを覚えます。私には充実した傑作だと感じます。
序曲は“歌バカ”と名乗った平井堅の開始に相応しいタイトル“Sing Forever”。おっ、と思わせるのは、ゴスペルの中で彼がクワイアに負けず深い発声をするのでなく、逆に非常に柔らかくうたう様子です。
R&Bとして自らを固めるのでなく、柔軟なポップミュージックとしての立ち方が平井堅であることを思わされました。例えば、ポップスター平井堅としての側面は今や欠かせない魅力ですし、音楽の振り幅の
面白さを表しますよね。3「CANDY」など難しいリズムを泳いでゆくフットワークはさすが。この辺りが"ポップ"を体現できる秘訣かなと思います。難曲を作った櫻井大介・田中直の腕前も実感させられますね。
特に今回、田中氏の斬新なアイディアがあちこちで輝いています。11「Missサマータイム」は川口大輔らしく色彩の鮮やかさとメロディーの良さ。タッチの軽い平井堅はブラジル的な曲調も合うんですよね。
一方R&Bの折衷こそやはり平井堅の本流。今作も聴き所がたくさんあります。
6「さよならマイ・ラブ」は松尾潔の作詞作曲(豊島吉宏も)、編曲に清水信之という注目曲。清水氏の編曲はEPOや村上ポン太氏らと鳴らしていたフュージョン、AORの頃からすばらしく、ここでも絶妙の
バランスでブルース、ソウルのテイストが注がれています。これ以上R&Bに寄ってもPOPSに寄っても出てこない心地よさを成立させうる平井堅もさすが。中庸の美学がここにありました。
7「R&B」。かつてここまでR&Bを演る日本人を客観的に歌ったR&B歌手っていたのかな、って驚きました。山下達郎、吉田美奈子そして久保田利伸どの先達も見事にソウル音楽を日本の感性で描いてきて
それはもう宝物のように輝いており、私はソウルを演る上でブラックになりきる必要性は感じないのですが、ここまで歌詞のなかで謙虚になった人は稀じゃないでしょうか。
8「Girls 3x」。今作で最もカッコイイ曲といっても過言でないはず。7「R&B」で謙虚になりながら、次の曲でいきなりアーシーなファンクをド真ん中に投げ込んでキメてしまう、ここは今作のハイライトでした。
特に曲中盤から後半にかけてスウィングしてゆく様は、もう最高ですね。オルガンもフュージョンの清水信之が聴けたかなという感じ。こういう飛び道具がある辺り、Skoop On Somebodyやゴスペラーズら
引き出しの多いR&Bと同様、日本人のR&Bとして個性が出せるアーティストだと思います。
他方、切ないラヴソングはもうさすがの領域。平井堅のバラードの素晴らしさは、やはり彼の音色でしか表せない情景の色彩です。凛とした空気や悲しみの行間、或いは小さな幸せの、ほのかな温かみなど、
水彩画の優しさで、筆をのばしてゆく色彩の滲ませ方は、平井堅独特の美しさだと思うのです。更に、その色彩には日本的な美しい情感や景色が透明に織り込まれています。メロディにも日本語歌詞にも、
儚い美しさが宿り、サビの瞬間、彼の歌声を通してその場面や感情が降ってくるようです。
透明な想いで溢れるくらいにこちらの胸も動かされる、そんな平井堅のうたの力、彼の透明感でしか表せないバラードこそ改めて他にはない効用だと実感させられました。
尚、今回の平井堅の写真はどれもかっこいいですね。今作のデザインはunited lounge tokyoというチームが担当しているようです。赤を中央に据え、金色が(髪の色も)効果的にアクセントとなり、
チャコールグレイが平井堅というシンガーのキャリア、落ち着いた佇みを想起させるよう。やはり赤が日の丸のようで美しいです。
日本とともにある平井堅そのシンガーの存在感、貴重さ、オリジナリティを想わせ、本当にいいデザインだなと思いました。
JIN-仁- 完結編 Blu-ray BOX
脳外科医が江戸時代へ、タイム・スリップするという壮大なテーマを基に、緻密に練られたストーリーや背景に最後まで観、終えても、しばらく言葉にならない程の感動を与えてくれました。
坂本龍馬などの登場人物(仁や咲さんは、もちろんの事)が現代へと線と線が結びあい(タイム・スリップには過去を変えると未来を変えてしまうという永遠の難題が存在)愛する人への想いは、興奮や感動を超越していました。
あまり時代劇などは観ないのですが、この作品は見事に現代と過去が、リンクしていて退屈する事なく最後まで楽しめました。歴史の深さは現代へと繋がっている事も実感させて頂きました。
最近これほどの作品は、なかったのでは…そう思わずには、いられません。
そして、この国に生まれてきた事を誇りに思わせてくれました。
私たちの先祖は、こうやって苦しみ、迷い、喜び、泣き、それらを分かち合い生きてきたのだと…
JIN-仁- DVD-BOX
このクールではぶっちぎりの
満足度No1のドラマでした。
大沢たかおがものすごい適役でした。
花魁役の中谷美樹も
龍馬そのものだと巷で大評判だった内野聖陽も
仁に恋心を抱きつつ医療を志す綾瀬はるかも
すばらしい演技でした。
江戸時代に現代の医者が現れて
苦労や苦悩の末
見事病気を治して人々を助けていく、
ニューヒーローと言っても過言ではありません。
最後の最後までホルマリンくんや
タイプスリップの謎が明らかにならず
若干消化不良ではありますが、
原作もまだ終わってないということなので
しょうがないですね。
ぜひ続編希望!
日曜劇場 JIN-仁- オリジナル・サウンドトラック~ファイナルセレクション~
なのでサントラも続編仕様のを購入。
前回のも再放送されたりしてますがやっぱりリアルタイムで観ると衝撃が違いますね。
以下、曲目です。
1 幕末<BAKUMATSU>
2 神の許し
★3 JIN-仁- Main Title
4 南方仁のテーマ(piano & strings ver.)
5 有明の月
6 夜が、明ける
7 JIN-仁- Main Title(vocal ver.)
8 咲の想い(orchestra ver.)
9 多紀元炎
10 戦<IKUSA>
11 錦の御旗
★12 南方仁のテーマ
13 明日への道
14 JIN-仁- Main Title(piano & strings ver.)
15 ほととぎす
★16 哀恋歌
★17 ヒダマリの町
★18 歪みと曲線のワルツ
19 JIN-仁- Main Title(guitar ver.)
★…2009年サウンドトラックに収録されているものと同一音源
JIN-仁- 完結編 DVD-BOX
物議を醸した前作のラストから2年。
大きな時代の変革期に突入した幕末で生命の在り方について迷い、傷つきながらも懸命に医療に打ち込む現代人脳外科医南方仁の姿を描いた完結編。
今作は更に脚本が練り込まれ、歴史の修正力を軸として史実とフィクションを融合させています。
登場する偉人達への敬意、愛情も深く、ストーリーにより厚みを持たせているように思います。
特に久坂玄瑞に関してはよくぞここまでスポットを当ててくれたと唸らされました。
新しき国作りに奔走する坂本龍馬との変わらぬ友情、仁を慕う橘咲の健気さと切ない表情、母親になった野風の勇気も非常に心に訴えるものがあります。
150年前の先人達の努力と想いが伝わってきますね。
唯一惜しむらくは展開の早さ。
1クール放送である為に、原作の名エピソードをかなり端折らざる終えなくなったのは残念でした。
半年間延長してもらってでももっと観ていたかったです。
間違いなく後世に語り継がれるドラマであると言えます。