愛していると言ってくれ (角川文庫)
まずその醜悪さにつきますな(綿貫広務)
それから意地の悪さといったら天下一品である(来栖貴文)
面構えが男の癖に見目麗しすぎますな(魚住新児)
それに何かというとすぐぼんやりした言葉をハッスル!(アシリカ)
また明日も拙者の名を勝手に使われると思うとうんざりしますな
(丹下左膳)
そういう鼻持ちなら無い男に育ってチアーズ?
(ある芥)
愛していると言ってくれ BOXセット [DVD]
主人公二人のことと、主題歌のはまり具合くらいしか鮮明には覚えていませんでしたが、10年後に観ても、ジーンとしました。
それは、脚本の成果というより、やはり主演ふたりの演技がすばらしかったからだと思います。
トヨエツのよさは言うまでもありませんが、なんといっても常盤貴子の演技は、恋する若い女の子としてとてもリアルであり、気合入っていたと思います。実際この演技が評価されて、その後羽ばたいて行った感があります。
ひとつだけ、大学時代には感じなかった違和感を、現在の私は感じました。
それは、「ケンちゃん」という人物・・・
あんな、都合よく助けてくれて、好きなのに応援してくれて、紘子が弱ってても「今がチャンス!」と手を出したりしない・・・そんな男、現実には存在しません。いや、最後のは、しょうがなかったと思いますけど・・・
ケンちゃんの自分への気持ちを知りながら、のろけてみたり、くじけたらいつもケンちゃんを頼る紘子にむかつきますが、21歳という設定を考えると、そこは納得。
北川悦吏子の世界は、少女漫画の世界といえるのでは。だから女性にウケル。女性の夢を叶えてくれるから。
当時、手話に着目したのはとても新鮮でしたが、その後、同じ人が「オレンジデイズ」を書いたときは、「ケッ」と思ってしまい、観ませんでした。ネタの使いまわししやがって!
そして、ドラマ初出演の新人、矢田亜希子が、とても意地悪な役を堂々と演じており、とっても似合ってました!!
いろいろ書きましたが、総合的に観て、やっぱりこのドラマ、いいんだよなあ・・・恋とは、すべからくこのようなもの。
「LOVE LOVE LOVE」
はまりすぎです!
愛してると云って DVD-BOX
とにかくヨム・ジョンアがうまい。
若くして社長の座にある女。キム・ソンスとは大人の関係。
しかし、心は満たされていない。
20歳前後の初々しい恋を経験しないまま、一気にここまで来てしまった女。
キム・レウォンの屈託のない笑顔に、まるで「少女」のように、恋をしてしまう。
キム・レウォンとお似合いの幼なじみの彼女(ユン・ソイ)への激しい嫉妬。
この気持ちが私には痛いほどわかる。
そして、策略によって、純なキム・レウォンを自分のものにしてしまう。
こうして若いふたりは引き裂かれた。
キム・レウォンが痛々しい。
嘘を重ねてまでキム・レウォンを手元に置こうとする、我執の女。
彼女をそうさせたものは、過ぎ去った10代20代という時間を取り戻したいという思い。
邦題「愛してると云って」より、原題「愛してると言ってくれ」の方が
このドラマにふさわしい。なぜなら、「愛してると云って」では、
女ことばゆえ、ヨム・ジョンアかユン・ソイに限定されるからだ。
韓国語の「サランハンダ マレジョー」(愛してると言ってくれ)は、
男女を問わない。
私には、このことばがキム・ソンスとヨム・ジョンアふたりの心の叫びに聞こえる。
自分をほんとうに愛してくれているのは誰なのか。
そして、自分が愛すべき人は誰なのか。
ドラマを見終わったとき、現実の自分にも、その問いかけの答えがわかるだろう。
愛していると云ってくれ
70年代のフォーク運動、80年代のバンドブーム。それぞれの時代、ギターを手に取り、プロでデビューするという夢を一度でも見たことのある人は、このアルバムに収録されている「お前の家」を聴いてみてほしい。
「情景を唄う」という中島みゆきの真骨頂が存分に味わえる名曲。ヒットした「わかれうた」「世情」も良いが、やはり「お前の家」のような歌を作れる中島みゆきというシンガーには、ただただ敬服してしまう。