国語入試問題必勝法 (講談社文庫)
大学受験を控えている浅香一郎の悩みの種は、国語の問題だった。どんなに読んでも理詰めではとうてい理解できないし、回答を見ても何が正解で何が間違っているか皆目わからない問題に、彼は苦戦していた。そんな彼に、父親が見つけてきてくれた家庭教師月坂は、一郎少年にある画期的な国語問題の必勝法を授けるのである・・・。
清水義範による短編集。表題作の「国語問題必勝法」は、「そもそも単一の答えなんて導き出し得るのか?」という国語のテスト問題に対して、強烈なアイロニー小説に仕上がっている。そのほかにも、「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」や「人間の風景」などは、時にブハハと吹き出しながら、時にニヤニヤしながらでないと読めなかった。こうした笑える小説というのは、後に90年代になり有志によって営まれたテキストサイト、あるいは2000年代に入っての2ちゃんの「おもしろいコピペ」シリーズや、ネタブログ、さらにはtwitterではネタツイッタラーなどに受け継がれていて、その源流の一つには間違いなく著者が立っているといえる。あとがきでも、自らのスタイルを物真似で小説を書くパスティーシュであると評しているが、そういう意味でもまさに現代的なのだ。
だが、著者の「引き出し」は笑いだけではない。「時代食堂の特別料理」は誰もが少しは抱く過去へのほのかな憧憬をあつかったファンタジーであるし、徐々に痴呆が深刻化する老人の視点から書かれる実験的な「靄の中の終章」などは、ユーモアもありながら、同時に薄ら寒い物を感じる。この一冊で、著者のいろいろな側面が堪能できるわけだ。解説は丸谷才一が担当している。
世にも奇妙な物語 映画の特別編〈特別版〉 [DVD]
4篇の物語からなる映画。
ほかの三篇はどうでもいいが、(そもそも映像短編で感動物をやるとたいてい中途半端で気だるいだけで終わる)最初の雪山はまぎれもない傑作。スクエアが出たきた時点でありふれた話だと思ったけど、ごめんなさい、勘違いでした。いやあ、マジで面白かった。
永遠のジャック&ベティ (講談社文庫)
そうそう!!中学生で英語を習い始めた時「こんな会話誰もせぇへんで・・」って思ってました。これ、満員電車でもお構いなしにニヤリニヤリしてしまいます。要注意(笑)。ちなみにワタシの教科書はJunkoとMike版でした。