死に花 (角川文庫)
■実に面白い。主人公は、立川市内の老人ホームに集う仲良し5人組のお爺さん達。彼らの活躍が描かれ、痛快かつさわやかな極上のエンタテインメントになっている。3つの連作が収録されている。
■1自分の棺桶を作り、葬儀のお膳立てをしていた源田金蔵、80歳。彼が、部屋に置いた棺桶の中で死んでいるのが見つかった。持病の心臓病の発作が起きて、苦しみながら自ら棺桶に入ったようだ。ところが火葬場で焼骨を取り出したとき、何と頭蓋骨が2つ出てきた。どうやら源田と仲の良かった女性のものらしい。その謎とは?
■2まだらボケの元校長が、突発性激怒症の車椅子の老人と口論の末、サッカーボールをぶつけ、相手が死ぬ。果たしてその顛末は?
■3第3話がもっとも長く5人組の大活躍が描かれる。老人パワーを結集し、一儲けをたくらみ、見事成功させるのだ。その内容は読んでもらうしかない。
■5人の爺さんたちは世の中を笑い飛ばすような心意気を常に持っていて、共感をおぼえた。社会風刺と下ネタ満載のとぼけた会話が随所に盛り込まれ、絶妙な味わいのとりこになってしまいそうだ。
死に花 [DVD]
豪華なベテラン俳優さんたちによる痛快コメディー。
でも、コメディーと言っても、声を出して笑うってんじゃなく、微笑ましくてニコリってする感じです。
人間、いつまでも青春だよなぁって思わせてくれる、年とったからといって引っ込んでなくても良いって思わせてくれる、今の時代に合った作品。
出演者全員が適材適所。
ある意味、すごいパワーを貰える映画です。