宇宙に秘められた謎 (ホーキング博士のスペース・アドベンチャー 2)
たしかに内容は期待通りなのですが、この本の1(宇宙への秘密の鍵)の末尾で、続編(この本)がすぐでるように書いているのに、この2号がでるまで非常に長く待たされ、子供に10回以上催促されました。発売元も続編のでる時期はある程度わかっているのだろうから、子供にすぐ続編がでるような期待を持たせないようるような書きかたはつつしんでほしい。
The Universe in a Nutshell
物理学者ホーキングは、難しいことを分かり易く説明する天才かもしれない。アインシュタインによって確立された一般相対論では、「時間と空間は物質世界・宇宙に依存する存在であり、独立な存在ではない。したがって、宇宙には始まりや終りがあり、宇宙のはじまる前に何が起きたか、また終わりの後に何が起こるのかたずねることは、まったく無意味なことである。なぜならそのような時間は存在しないのだから。」普通、こんな明確な文章は書けない。
また、理論が信じられている理由は、「実験でテストに耐えてきた理論とそれらが矛盾していないので信じている」のである。決して、科学者が星占いを信じない主な理由は、科学的証拠がなかったり不足している点でなく、実験でテストされ、正しいとされているこれまでの理論と矛盾するからである。とも、気持ちよく指摘している。
最新の宇宙論・理論物理学を楽しく学べる貴重な本であることは確かである。「グラスマン数」「シュレディンガー方程式の波動関数」「11次元または12次元の宇宙としてのp-ブレーン」等の言葉がわからなくても、ある程度楽しめる。
パワーか、フォースか―人間のレベルを測る科学
この本はキネシオロジー(身体運動学)という聞き馴れない学問分野で確立された客観的で再現性のある実験手法によって得られた意識のレベル判定結果を切り口として展開されている。
この実験によって分かるのは、体に良い食べ物と悪い食べ物の判定に始まり、物や事象の真偽の判定、絵画や音楽の善し悪し、感情の善し悪しなど、ほとんどすべての物事の「ポジティブ」「ネガティブ」の判定が可能だという。
この手法を元に研究されたのが、この本の帯に書かれている、人の意識レベルを測定する試みである。最も低いレベル20である「恥」に始まり、レベル200の「勇気」を境にポジティブの領域に入り、「受容」や「愛」のレベルを経て、700からは悟りの領域に入る。
そして、200以上のポジティブな意識レベルの根源にあるのもを「パワー」、200未満のネガティブな意識レベルの根源にあるものを「フォース」と定義し、パワーを使うかフォースを使うかによってどのような結果が得られるかを、「アルコール中毒者自主治療協会」など、色々な分野の例を上げて考察する。
この「パワー」と「フォース」の持つエネルギーの性質をよく理解することで、我々の人生は非常に有意義なものに変わるのである。
これまで宗教や思想・哲学の世界で語られてきたことに科学的な裏付けを与えてくれたこと、さらには、意識レベルの向上を目指すときに、自分の進んでいる方向が正しいかを常に確認出来る手法を提供してくれたという意味でも画期的と言えるだろう。
宇宙への秘密の鍵
天才物理学者ホーキング博士とその娘が書いた、宇宙冒険物語。
好奇心旺盛な小学生のジョージは、となりに住む科学者親子と一緒に、スーパーコンピュータ“コスモス”の力を借りて、宇宙への旅に出る。ジョージは、宇宙の成り立ちや星の姿に夢中になるが、そこに“コスモス”を狙う何者かの影が……。
ワクワク、ドキドキの冒険物語を読みながら、ホーキング博士の宇宙理論がすんなりと頭に入ってくる本だ。さっそく小学校5年生の息子に薦めたところ、息子もあっという間に読み終えてしまった。
それからは、物語のことや、本の中にちりばめられた宇宙の知識がまとめられたコラムについて、親子の会話が弾んでいる。息子と一緒に宇宙の話ができるなんて、この本を読むまで考えられなかったことだ。
The Grand Design
スティーブン・ホーキングとレナード・ムロディナウの最新刊。注目すべきはM理論に関する記述である、本書には
「M-theory is the only candidate for a complete theory of the universe」(第5章 the theory of everything)
「a fundamental theory of physics that is a candidate for the theory of everything」(巻末 glossary)
と記述されており、ホーキングのM理論に抱く大きな期待が感じられる。
M理論は11次元で記述され、粒子も、振動する「ひも」も、p-ブレーンも同時に存在する、しかしM理論の数学は、余剰次元が「curled up」されることを禁じている。
M理論の「M」が何を意味するかは本書でも明確にされていない、masterか、miracleか、mysteryか、それともその3つ全てを含むのか・・・?いままで物理学者は伝統的に、「唯一」の理論が我々人間が存在する宇宙を説明できると考えてきたが、それは不可能かもしれない、なぜならM理論は「internal space」がどのように(HOW)小さく丸められるか(curled up)によって(depend on)、10の500乗という途方もない数の、それぞれの物理法則を備える宇宙(平行宇宙)が存在すると予想するからだ、その中の少なくとも1つが我々の「宇宙」なのである、それが、M理論の「M」の意味が1つに定まらない理由なのだ。
そしてM理論は、神の手を借りず、「無」から宇宙を作り出す理論である。
本書は、単純な数式さえも使わずに、時に美しいグラフィックを用い、最初から最後まで200ページ弱を説明するという、相変わらず驚嘆すべき手法をとっている。
紀元前から21世紀にかけて、人間の宇宙観の変遷をジョークを交えながら説明し、なぜ(WHY)宇宙が存在するのか、どのように(HOW)存在するのか、宇宙が存在するとはどういうこと(WHAT)なのか?という人類最後の難題に対する人類の挑戦を振り返る。
初心者からプロフェッショナルまで、誰でも楽しく読める1冊、各章最初のページの、フィボナッチ数列を表したグラフィックもとても綺麗で気に入りました、「なぜ」フィボナッチ数列なのか、という点をホーキングに聞いてみたい。