新ブラックジャックによろしく 9 (ビッグコミックススペシャル)
思えば「がん医療編」を読んだときは、心底感動したものだった。マンガを読んで涙を流したなんて、自分には初めてのことだった。それがもう5年以上前のこと。新刊が出るたびに必ず買って読んでいた「ブラックジャックによろしく」が、まさかここで完結するとは。まあ連載の長さや「研修医」を描く内容を考えれば妥当ではあるが、最初はちょっとした驚きだった。
長く続いてきた「移植編」がついに完結し、その後の主人公=斉藤先生が駆け足で描かれ、この物語は完結する。「医者とは一体何なのか」という、この物語の主題が最後にもう一度力強く投げかけられるが、それに対する明確な回答は示されないまま、あっけなく(?)幕が閉じられた。
これまで迫力ある医療ドラマを濃厚な筆致で展開してきた本作なだけに、このラストがいささか薄味に感じられたのは確かだ。そこに対する不満の声も理解はできる。
だがしかし…振り返れば、この作品は単なる医療ドラマではなく、理想と現実の狭間でもがき続ける青年の成長の物語ではなかったか。斉藤先生が最後に見せる笑顔は、彼の成長、すなわち「医者であり続けること」の決意に満ちている。その爽やかな読後感。不十分なラストと切って捨てることなど、自分にはできない。
「医者とは一体何なのか?」それは私にもわからないし、劇中の斉藤先生も高輪教授にも分からないし、おそらくは著者も故・手塚治虫氏も分からないだろう。だから斉藤先生は、医者を続け、問い続ける。それは美しい生き方に違いないと、自分は思う。
ブラックジャックによろしく 涙のがん病棟編 [DVD]
素晴らしいという評判だけは知っており
偶然このスペシャル版だけをTVで観た。
特に加藤浩次や笑福亭鶴瓶、石橋貴明といった
所謂お笑いが役者をやることに違和感を持っている人には
是非レンタルでもいいので観て欲しい。
作品全体も充分
劇場公開にも堪えられるクオリティであると思う。
新ブラックジャックによろしく 7 (ビッグコミックススペシャル)
それほど移植というのはいろいろと大変なことは分かっています。
しかし、いい加減引っ張りすぎだと思います。
今作も人の心理描写がものすごく上手いなと感じた一冊でした。
TBS系日曜劇場 逃亡者 オリジナル・サウンドトラック
ドラマを見た時、格好いいサウンドが聞こえてきた。これは!と思った。近頃、殆どのドラマがドラマ重視で音を潜めていたので、新鮮だった。サントラは滅多に買わない私ですが、つい買ってしまいました。あのズシズシと響くメインテーマ、哀しげなレクイエム…。オーケストラとロックを足した感じが良い!峰島のシーンなどに流れるフラメンコ調の小気味よい音楽が格好いい。主題歌「時の舟」のインストゥルメンタルも綺麗。ドラマっぽくない壮大なサウンドが「逃亡者」にマッチしていて気に入っていますv
ブラックジャックによろしく 全13巻完結(モーニングKC ) [マーケットプレイス コミックセット]
精神障害を持った方に関わる仕事をしているせいもあり、のめり込んで読みました。
男性が小学校に乗り込み、たくさんの児童を殺めてしまったあの事件は、私が仕事をはじめてすぐに起こりました。
報道やそこから聞こえてくる世論に対して、「違う!」と強く感じたものの、まだひよっこだった自分にはきちんとした言葉でどう違うのかということを言い表すことができませんでした。
5年経った今でも、多分うまく言い表すことは難しいと思います。
この本にはそんなもやもやした気持ちを代弁してもらった気がします。
精神障害をあまり知らない人、正直精神障害なんて興味ないという人にもぜひ読んでもらいたい本です。