格安エアラインで世界一周 (新潮文庫)
予算制約があるので、これまではバスを主に鉄道・船も含めた陸路長時間移動の著作が多い。そんな下川氏が今年1月にLCCを乗り継いで世界一周に挑戦した体験談を文庫本にまとめた。世界一周について書かれた本はこれまでいろいろあったが、今回のはLCCを利用したところが目新しい点だ。
既に新潮文庫で店頭に並んでいるので、購入して読んでみました。
下川氏の世界一周では、日本出国前に航空会社名を含む行程が決まっていたのは 日本からシンガポールまで と ダブリンから米国経由日本まで で、シンガポールからダブリンまで はインド経由までは決めていたものの航空会社名や経由都市は未定のまま、出たとこ勝負で日本を出国し、宿泊先で持参PCを使って次の経路を決めて予約していくスタイルである。1ヶ月とか半年程度の旅程ならこのスタイルでもよいと思うが、2週間という短期間なら空港所在地も調べた上で航空会社を選択した方がよいでしょう。
最初の宿泊地であるマニラで早くもこの問題点は露呈し、空港間の移動が深夜になるため、クーポンタクシーに円換算で5千円超の支払いをしている。「LCCの料金相場は4時間の飛行で1万円の料金」という氏の目安に従えば、5千円あればLCCで2時間飛行できるのにね・・。
セブパシで関空出発してLCCでインドへ行く行程を組むなら、マニラ発もセブパシにしてクアラルンプールに飛び、そこからエアアジアが前月に就航した南インドのティルチラパリ(ティルチ)路線へと乗り継ぐのが一番素直でかつより安い行程でしょう。LCCは新規路線もどんどん増えていくので、定期的に各社のHPをチェックしていないとこうした新規路線を見落とすことになります。
下川氏一行がインドのバンガロールで ダブリンまでの航空会社と経由地を決めるのにホテルに6時間缶詰めになりPCと格闘しているのも時間の無駄でしょう。2週間の旅程なら搭乗日まで全部決めなくてもよいが、利用航空会社くらいは日本出国前に決めておくのが効率的です。出たとこ勝負の旅も旅程の長さによりけりというとこですかね・・といった いくつかの突込みどころもあるものの、このボリューム内容ならLCC初心者から上級者まで満足できる内容でしょう。ナショナルフラッグのエアリンガスがLCC化してジェットブルーとのジョイント格安運賃(ダブリン〜LA3万5千円)を出しているとか、大西洋路線がUAとのコードシェアでUAマイルを貯められるとかは知らない人が多いと思います。
世界一周料金総額22万弱、最後の太平洋横断(LA→成田)はSQなので、この部分を除くとLCC8社で16万円、機内食や飲み物が無料のLCCも行程に含んでいるので、色々なLCCを読者も擬似体験できてよくまとめてあると思いました。
日経 TRENDY (トレンディ) 2010年 11月号 [雑誌]
トレンディはよくコンビニでみかけていたものの、これまで買ってまでは読んでいませんでした。
今回、スマートフォン特集ということで買って読んでみたら、結構深くまで掘り下げて取材されているんですね、驚きました・・・。
と思って本のタイトルをもう一度読んでみたら、「日経」トレンディなんですね。
だから深いのかな?