江(ごう) 姫たちの戦国 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
2008年の篤姫が大好きで毎回心に響いていました。今回の江にも大きな期待を抱いています。キャストとしては鈴木保奈美さん、豊川悦司さんが昔から好きなので楽しみなのですが、この本には二人の対談が!ドラマや映画で共演歴のあるこの二人の対談グラビアを見た瞬間、買ったかいがあったと思いました。個人的には岸谷五朗さんも入れて三人の図が見たかったかな? ともあれ、主演の上野樹里ちゃんはもちろん、他の出演者の方々の役についての解説など読んでいるだけで勉強になります。私は戦国は苦手で、浅野三姉妹についてもよく分かっていませんでしたがこの本でだいたい頭の中で整理できました。 つまり江は、大奥で高島礼子さんが演じたあの恐ろしい御台所なのですね!納得。 ドラマをより深く正しく楽しむ為にもこの本での予習復習をオススメします。
のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編
3枚組のリッチなCDだけど、価格に合っている内容だと思う。
聞いていて映画の各場面を彷彿とさせるし、iphoneとかにおとしても
結構いい音出してるし。
お気に入りは3枚目のエルガー「エニグマ」。(ちなみにギリシャ語で謎)
映画のオケのメンバー達のひそかに練習している場面が浮かんできて、
ついホロっなんてね。
世界的なオケのCDと聞き比べても、そんなに遜色なく聞ける。
かなりおすすめです。
NHK大河ドラマ オリジナル・サウンドトラック「江~姫たちの戦国~」
今までにない大河ドラマのサウンドに魅了されています。流石!吉俣良と頷けます。ドラマは、まだ始まったばかりですが、オープニングのメインテーマから始まる壮大であり、また繊細な感動を盛り上げる吉俣ワールドに浸ってます。ドラマとは別にお薦めのアルバムです!!
のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スペシャル・エディション [DVD]
ほんとに、気持ちよく楽しめる映画です。見終って、幸福感があります。HAPPYが画面から漂ってくるような感じです。コミックの実写版はコケることもよくありますが、この作品は大成功ですね。まんがも面白いのですが、映画も最高に面白い。同じテイストを残しつつ、映画ならではの遊びが満載です。いよいよ残すところ、後編のみとなりました。必ず見ますよ。
のだめカンタービレ 最終楽章 後編 スペシャル・エディション [DVD]
「のだめカンタービレ」の原作も実写も両方好きですが、最終巻辺りにかけては、こちらの実写版の方が好きです。
原作は最後までギャグのテイストを織り込みつつ、一気に読める楽しさがありましたが、その分、心理描写がややさっぱりとしていて、のだめの心情が読み取りにくい面がありました。
原作の方でも様々な解釈があると思いますが、実写の方では、上野樹里さんならではの解釈で観る側が納得できる風に演じてくれたのが良かったです。(以下、ネタバレ含みます)
例えば、映画雑誌のインタビュー等で 「のだめにとって、コンチェルトというのは、男女の恋愛関係を表すとても重要な意味を持つので、自分の初めてのコンチェルトは絶対に千秋とすると信じて頑張っていた。 けれども、その大事な初コンチェルトを不本意とはいえ、千秋以外の人(ミルヒー) としてしまったから、もう自分は千秋の事を好きじゃないの? と思い込んでしまい、全て投げやりになってしまう。 でも、その後で千秋に 『いや、そうじゃないだろ』って音楽を通して引き戻してもらえる。」 音楽面では「ショパンのコンチェルトの演奏も、あの時の精神状態だから弾けた 一時的な良さであり、継続してプロとして続けていけるわけじゃなくて。 だから千秋の事を好きでいられなくなるというのは、上から目線ではなく、もうピアノを弾けない自分は千秋の事を追えないし、ミルヒーと共演してしまった為に新品でもなくなった。というのが大きくて、そういう感情を入れた方が人間ぽいと思って、そういう風に演じました。」 という様な事を語っていて、音楽感情と恋愛感情を混合してしまっている、のだめの心情が、この「最終楽章 後編」ではリアルに伝わってきました。
のだめが独自の方程式で 「コンチェルトの成功」=「恋愛の成就」と考えているとしたら、プロポーズをスルーされて自分の想いが通じなかった先輩とは、もう最高の演奏なんて出来ないから 「あれ以上の演奏、先輩となんか出来るわけない」と言ったのだと思いますし、一番大事な先輩とのコンチェルトが失敗に終わったら、二人の関係(恋)も終わってしまうと感じて怖くなるのも道理だと思いました。
原作とは違う描き方をしている部分もあるという映画版は、同じストーリーの流れでも見方が違うふうに見え、そこには良い意味で原作とは異なる、もう一つの「のだめ」の世界がありました。
原作の方は、のだめの音楽的成長も随所に描かれていましたが、映画版は音楽的成長より、のだめと千秋の恋の行方を軸に描かれている気がします。
実写版の千秋の傍にいる「のだめ」というと、どこか妹の様な感じでしたが、ラストの橋のシーンでは、千秋に寄り添っても遜色のない女性に成長していましたし、千秋も、のだめの事を思うがゆえに、彼女の予測不可能な行動に振り回されたりする事もありましたが、基本は最後まで千秋がのだめを引っ張るという、ぶれない芯の強さがありました。
そして、山場の一つでもあるミルヒーとのコンチェルト。 原作では、自ら進んでピアノに挑み、プロデビューして見返したい、千秋に認めてもらって最後は千秋の所に行くつもり。 という感じでしたが、映画では千秋を失うかも知れない不安の中で心を失くしてしまい、魔法にかかったかの様に意に反してミルヒーの手を取ってしまったのだめ。 自分が何故、望まない舞台上に居るのかすらも解らずに、魂の無い人形の様な表情でピアノを弾いている様は、千秋との仮想コンチェルトの時の満面の笑顔と対照的で印象に残りました。(第3楽章辺りからは、虚ろな瞳でオケに視線を巡らせた後、徐々に千秋が指揮するオケの事を思いだしたのか、少し明るい表情になってきました。)
特典DVDの樹里さんのインタビューで 「ミルヒーとのコンチェルトの時は、のだめは病んでいて一番辛い場面」 と語っていたのを聞いて成程、と思いました。
その際のドレスも赤と紫の2着が用意されていたそうですが、のだめのカラーである赤は千秋とのコンチェルトに取って置きたかったので紫を選び、後に紫は欲求不満の色と知って、あの場面に合っていたと思ったそうです。
この、のだめのデビューシーンは、のだめの演奏に対するオケの反応が無く、観客達の感動する表情等も余り無かった為か、巨匠であるシュトレーゼマンの力添えもあり、やっと千秋の目前にまで追いつけたという感じでした。
前編のマルレ・オケの華々しい成功シーンが凄かったので、のだめデビューも、それに匹敵するかも、と思っていたのですが、のだめは原作よりも映画の方が精神的に堕ちている様に描かれているので、そういう意味では個性的でなくても、こういう静かで荘厳な演奏シーンの方が観ていてしっくりきました。(それでも、樹里さんの感情を叩きつける様な躍動感ある演奏演技と壮大な曲には惹き付けられます)
共演の後、原作では控室で嬉しそうに飛び跳ねていたところも、映画では自分が何をしてしまったのか、わからない。 取り返しのつかない事をしてしまったという後悔と動揺。 そして、千秋に顔向け出来なくなった時の怯えているような表情が切なかったです。
心が壊れかけてしまう程、千秋を強く想う のだめと、のだめを失いかけて初めてその大事な想いに気づいた千秋。 この二人が最後に辿り着いた2台ピアノの共演。
観客がいなくても、オケの支えがなくても、大舞台でなくても、そんな事は一切関係なく、今迄で最高の演奏が出来た のだめ。 千秋となら、どこまでも上に行けるという確信の中で初心に戻り、初めての自分の共演はミルヒーではなく、千秋先輩とだったと思い出していたのかも知れません。
ピアノを通じて対話をし、硬く閉ざされていた、のだめの心が徐々に解き放たれていく様は、二人の歩むこれからの道を現わしている様でした。
常に立ち止まる事なく先へ先へと進もうとする千秋。 何十年後か先に、きっと、シュトレーゼマンと同じく巨匠と呼ばれる地位に辿り着く千秋と同じ道を歩む為に、真摯に音楽に向き合おうとする、のだめ。 苦しくても辛くても、好きな人と一緒にいたいという一途な想いが、ここまで強く純粋な女性は凄いと思います。
現実の世界に本当に、のだめと千秋がいると思わせてくれた、樹里さんと玉木さんの心情に迫った演技は、とても素晴らしかったです。
長いレビューになってしまいましたが、ここまで読んで下さり有難うございました。