Made in Europe
いまでこそ再編集盤がリリースされていろいろな音源に触れることが可能になった第3期パープルですが、このアルバムは第3期での唯一のライブ音源として、長い間、大変貴重な存在でした。個人的には中学生の頃にアナログをそれこそ擦り切れるまで聴きこんだものです。
データによれば1975年のパリ公演での出来栄えが良かった曲を収めたものになっていますが、周知の通りこの時期はリッチーが脱退するかという微妙な時期で、ライブにしてもあまり気乗りのしないプレイが多かったというのが真相のようです。そこらあたりは、数多と出回っている海賊盤を聴いていただくと分かるのですが、1ステージをフル収録したライブ盤などというものは、とても商品としては成立しなかったのではないかと推測されます(もちろん、そこら辺に転がっている凡庸なバンドに比べれば遥かに高いレベルの演奏なのですが)。
そんな楽屋話はさておいても、ここでの演奏は素晴らしいの一語です。特に「Mistreated」や「Stormbringer」はスタジオテイクを軽くしのぐほどの出来栄えではないでしょうか。第3期でのライブは、3期としてのオリジナル曲が少なかったということもありますが、「Smoke On The Water」などの2期の曲も演奏していましたが、どうもカバーデイルやグレン・ヒューズのヴォーカルに合っていないように感じましたし、本人たちも仕方なく演奏していたような感じがしていました。聴く観客も懐メロ志向(?)の人はともかく、何となく興ざめに似た感覚を覚えていたはずです。やはり2期は2期、3期は3期なのです。ここでは、あえて3期での曲に絞ったことで、成功しているのではないでしょうか。
イアン・ペイス・オン・ザ・ドラムス ノット・フォー・ザ・プロ [DVD]
イアン・ペイス自身が直々に語る貴重な映像もあるのですが、もっとドラムテクニックの解説などがあっても良かったと思います。
さらにイアンのプレイももっと見たかった。
少しばかりの物足りなさを感じました。
Fireball: 25th Anniversary
71年発表の6作目。『イン・ロック』と『マシン・ヘッド』という歴史的な名盤に挟まれているだけに地味なポジションにならざるを得ない作品だが、第二期という黄金時代の作品なだけにそのクオリティは文句の付けようもない。ツアーの合間を縫っての録音ということで、当時のメンバーの多忙ぶりが伺えるが、そういった時間不足が影響して幾分シンプルなアレンジになってる曲が多いものの、その分彼らの引き出しの多さを伺わせるようなバラエティに跳んだ楽曲が並んでいる。
1.はストレートなハード・ロックだが、ベードラの連打などを含めて地味にドラムスが凄い。おそらく次作がなければ高い評価を受けるであろう曲である。2.は第三期を彷佛とさせるファンキーなナンバー。比較的リラックスした雰囲気だが、延び延びとした自由なギター・ソロが聞き応えあり。3.はこの時期の代表曲の一つ。シャッフル調のパープルらしい曲だ。4.は彼らにしては非常に珍しいカントリー・ロック。悪くはない出来だが、彼らのイメージにはやや相応しくないかもしれない。スティール・ギター (スライド?) やホンキー・トンク風のピアノなど聴きどころは多い。5.はサイケ風味も感じさせる60年代風のギター・ポップになっているが、第一期のものと比べるときらびやかでポップな印象。オルガンのトーンがチープでいい味が出ている。
全体的にパープルという枠からはみ出たかのような楽曲も目立つが、それだけにおもしろいかもしれない。前作でいきなり物凄い作品を作り上げてしまい、他にもやりたかったことがここに出て吹き出したかのような印象だ。
Who Do We Think We Are
1973年リリースの第2期DEEPPURPLEのラストスタジオアルバム・・・このアルバムはそのリマスターエディションで音質がアップしています。またボーナストラックを満載した豪華盤です。(日本盤は値段が安く、また装丁もきれいなのでそちらも要チェックです!!)大ヒット曲「東京から来た女」(笑)を収録・・・と言う事で、ボーナストラックが8曲~14曲まで並びます。正直BOOTLEGといった印象です(笑)!!8曲目は「ウーマンフロム・・・」の’99年REMIXで基本的な進行は同じですが、リッチーのやる気ない(?)ギターが一部加わっています。14曲目が結構目玉で解説でわかったのですが、イアンのドラム・ジョンのオルガン・リッチーのベース(!)で構成されているジャムセッション・・・これは貴重!!変な話で恐縮ですが、ナイアシンみたいな曲・・・ジョンのオルガンがたっぷり聴けます、巧い!!パープルファンはもってて損なしの企画盤です!!