この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)
「この世界の片隅に 上 (1) (アクションコミックス)」に続く第2巻中編。
昭和19年7月から20年4月の広島に暮らす すずたちの生活が描かれます。
婚家でつつましく健気に生きるすずは、ふとしたきっかけで遊郭の女リンと知り合うことになります。そのリンとすずは出逢う前から縁浅からぬつながりがあったことが見えてきます。
そしてまた、幼馴染で今は海軍に身を置く水原哲が久しぶりに彼女のもとへやってきます。哲とすずとの間にも複雑な感情の往来が生まれます。
“あの日”までわずか4ヶ月というところまでやってきた すずたち登場人物の生活はこんな風にわずかに波を立てることになります。その静かな波立ちの描き方が実に見事です。
水原哲がすずを評してこう語るくだりが心に残りました。
「あーあー普通じゃのう。当たり前の事で怒って当たり前の事で謝りよる。
すず お前はほんまに普通の人じゃ」
「この世界の片隅に」静かに当たり前に生きるすずたち。夫婦のちょっとしたすれ違いや、家族の仲たがい、そうした当たり前であることがなにものにもかえがたいシアワセであるあの時代の空気とにおいをこの作品は現実感を伴ってみせてくれます。
さて、第3巻・最終編の出版は来年初めのころでしょうか。
楽しみでもあり、おそれてもいる自分が今ここにいます。
終戦記念スペシャルドラマ この世界の片隅に [DVD]
原作がとてつもないまでの丁寧且つ、秀作だったせいか、ドラマ化は不安でした… 北川景子がどれだけ主人公すずを熱演するか、若しくは作品にマッチしているか…
リアルタイムでドラマを観ました。
北川景子で良かったんだな(泣)すずになってたなぁ…
見終わった途端、堪えきれなかった涙が一気に溢れました。
りょうの小姑っぷりや元カノを演じた優香もガッチリと嵌まった演技でありました。
北川景子は立派な女優になって欲しい。 加えて、この作品に出逢えた事を誇りに、これからも演技に 磨きを掛けて欲しい。
先の期待を見据えつつ☆5つに しました。
美少女戦士セーラームーン Super Special DVD-BOX
アニメ版は観たことないんですけど、多分殆どオリジナルなストーリーですよね。オンエア当時は、主役のセーラームーンよりセーラーマーキュリーの方が人気だったと記憶してます。ほんとに可愛かった。シリーズ中盤、クンツァイトの魔手に絡めとられてマーキュリーが闇に堕ちてしまうダークマーキュリー編がやっぱり最高に盛り上がったところだと思います。
キャスティングも皆イメージに合っていて、敵方のクイーン・ベリルと四天王がまた良かった。とにかく、仮面ライダーより面白かったですね。今回のDVD-BOXには新撮のコンテンツは全然ないのがちょっと残念ですが……。セーラー戦士を演じた5人は番組終了後も仲が良く、食事会のような形で集まったりもしてるようなので(彼女たちのブログに写真が載ってました)、座談会だけでも新しく撮って欲しかったところです。問題があるとすれば、北川景子さん(セーラーマーズ)なんでしょう。スペシャル版で彼女だけは変身しなかったし(本人がというより、事務所の意向かしら?)。
なお、劇中歌が秀作揃いなのも強調しておきたいことで、特に最終回のエンディングで効果的に使われていた『FRIEND』が最高傑作でしょう。
DVDは全巻持ってるので改めて買わなくてもいいようなものですが、メモリアルアイテムとしてお手元にってとこですね。
(9.23追記) 本日、商品が到着しました。早速観てみましたが、ディスクのデザインが素っ気無い。作品タイトルとディスク番号だけでした。昔に単品で発売されたときはピクチャーレーベル仕様だったので、ちと残念ですね。バンダイがBOXセットを出すときは大概こうなんですが、廉価版とはいえ、考え直して下さいよ。
この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
私がTVでしか見たことのない戦争を、祖先は確かに経験している。
たまたま生き延びた命の末に、私がいる。
私の亡き祖父は、戦争に従軍した。小さな島で、連合軍に遭遇することなく終戦を迎えた。
それでも晩年は夢に魘され続けた。「上官殿が来る」と叫んでベッドの影に隠れた。
私が中学生の時、男子生徒と下校しているところを、天気予報か何かの背景に使うと撮影された。
それを聞いた祖父は、「憲兵に捕まる」と本気で心配していた。
祖父は、戦争が人間を変えることを知っていた。
祖母も銃後で、食糧難が人間を変えることを知っていた。
平和になっても、もはや有り余っている食べ物を、他人に分け与えようと滑稽なほど必死だった。
靖国問題が取り沙汰されるたびに思う。兵士以外の犠牲はどうなるのかと。
生き延びた人々の苦悩は、大きく曲げられた人生は、軽んじてもいいものなのかと。
戦火の下でも、人が生き、暮らしている。
戦争すら日常にして、ただひたすらに生きようとする人間がいる。
この作品は、そんな市井の人々の物語だ。
生きることは生き物の使命だ。その日常が平和の中で営まれることを、切に願う。
Town of Evening Calm, Country of Cherry Blossoms
How were the ordinary people's lives under the bombing in HIROSHIMA? How were they completely destroyed and changed by 'one new bomb'? In what way does its still keep affecting the people physically and mentally even till today?
This manga clearly describes these sad facts, not in a hysterical way but in an incredibly calm and beautiful way. But all the more for so, the pain of the people sticks to the readers' soul even deeper. Definitely a masterpiece. Must be read by lots and lots of people in all nations.