私が私であるために [DVD]
性同一性障害・・・最近よくニュースなどにも取り上げられ耳にする機会も多くなってきました。障害という肩書きがついたから一応病気とされ世間からの理解も得られてきたかとは思いますが、それまでは一種の変態として扱われてきました。
え〜と、それでこの作品に関してのレビューとしてはまず第一によくこういった問題に対してのドラマを作ってくれたなと感謝いたします。
細かい不満を除けばGIDの人が自身の治療や生きてく過程でぶつかるであろう困難も描かれています。
ただ先も上げたように不満もあります、一般者受けを見越してか起用しているGIDの方達が皆容姿良すぎです(笑
アーティストの中村さんやNHバーの売れっ娘竹内さんは深く描かれていないから良いとして
主演を演じてる方相沢さんは設定としてはまだホルモンも打っていない状態であそこまでの容姿と声で演じられてもちょっと私としては説得力に欠けるというか、うわっつらでしかGIDのことを描いていないと思いました。
まず容姿に関しては自身の努力でどうにかなることもありますが、やはり整形や顔・腕・足の脱毛、肌のキメ細やかさは素質かホルモンに頼るしかありません。
また男として成長してきたMTFに関してはあそこまでの女性声を出せる方もそういません。
せめて設定上相沢さんもホルモン治療はすで受けていることになってれば納得もできますがまだ何も始めてない状態でアレは一般者から見れば誤解を生みかねないなと強く感じました。
Lの世界 シーズン3 DVDコレクターズBOX
やっと見終わりました。
今シーズンはかなり暗めな仕上がりですが、女性独特の障害があり、真剣に考えさせられる内容になってます。
あとはやはり出てくるのはちょこちょこ出てくる偏見の目。あと今回は性同一性障害についても描かれてます。なんとも言えない不条理な怒や悲しみを見て味わって下さい(笑)
もちろん今作も友情・恋愛・SEXいっぱいです(笑)
ただ…過激なSEXシーンばかりなレズビアンのドラマとして見て欲しくない。
深い…とっても深いドラマです。
プルートで朝食を [DVD]
破壊されるミラーボールと共に飛び散る現実や、溜め息の出るような色彩で捉えられた母の後姿などを綴れ折のようなリズムの中に描き込み、アイデンティティー(自我同一性)を求めてプルート(冥王星あるいは冥府)を目指す旅は、人間の狂おしいまでの性(さが)を描いて神話的ですらある。
二ール・ジョーダン監督による本作は、飛び交う二羽の駒鳥のおしゃべりによって幕を開け、愛されるのが困難な状況にもかかわらず「愛されたい」という主人公の性(さが)を軸に、可笑しくも切ない母を求める旅が描かれていく。ただし、その性は見かけとは裏腹に、IRA(アイルランド共和軍)の爆弾テロや英国警察の暴力や、主人公に対する排斥的な差別という次元を超えてはるかにラディカルな意味を持つ。
さらに、この作品はスクリーンと観る者との間に安易な共鳴を許さない独特の距離感を漂わすが、それはブレヒト的異化効果のような方法論的なものではなく、理論よりも感情に直達する作用をもつ。感動の理由を言語化する作業を飛び越えて、映像自体から直達的に胸を掻きむしられる感覚が先行する。それほどまでに本作は、アイデンティティー探求の深遠さと困難さを、ジェンダー(社会的・文化的なレベルでの性別)すらも超越した根源的な視点から描き切っている。選び抜かれた言葉がちりばめられた脚本(未公開となったジョーダン監督の傑作「ブッチャー・ボーイ」と同じパトリック・マッケイブ原作・共同脚本)と映像と音楽とが融合し、官能的とさえ言える「映画言語」として昇華されている。
Fatherという単語が持つ複合的な意味をも描き出し、秀逸である。そして「今度は女の子をね」と笑みを浮かべる主人公。彼女(彼?)は目指すプルートに辿り着いたのか?
エンドタイトルで流れる“The Windmilles of Your Mind”の歌詞にある風車のように、この映画は未だに私の心の中で回り続けている。