Papa told me 〜カフェで道草〜 (クイーンズコミックス)
掲載誌を移行してなお歩み続ける、榛野女史の代表作。
やはり、本作は紅茶と一緒に、リラックスした形で楽しむのが一番いいような気がする。
最近の本シリーズは、原則一話完結なので、どこから読んでも構わないし、
どのストーリーも再読に耐えるのが嬉しい。
とはいえ、表紙にも顕著なように、随分イメージが明るくなった感がある。
初期のナンバリングにあった、シックな色合いの方を好むベテラン読者も多いのではないだろうか。
掲載誌の変化の表れなのか、それとも女史の心境の変化なのか、興味は尽きない。
Papa told me 〜私の好きな惑星〜 (クイーンズコミックス)
前回の単行本から1年で新書版二冊目。思ったより早いなと初出を確認したら、
ほぼ半分書き下ろしでは無いですか。お疲れです!
前回の新書版の感想で、知世ちゃん始め登場人物の表情の柔らかくなった件を書いた。で、どう変化したか、YY版の1巻から改めて読み返してみると。
昔の登場人物の鼻っ柱って、皆二本線だったのね!
今はあっても一本線で、ともすると鼻っ柱が描かれないんだけど、それが淡い柔らかい表情、空気につながっています。
収録された作品群は掌編ばかりと言って良く、お父さんと知世ちゃんのエピソードに絞って取り上げられています。結果、以前の様にシリアスに様々な痛みと相対する哲学性よりも、微笑と歌と想像力を横溢させる、可愛らしい作品に変貌しています。
それは今作の中盤、「Angel,s eye」に登場するレトリーバー達のありようを、作品で実践するかの様です。
おかげで信吉氏は、泡立て器をふりたてつつ脳ミソが少女化したかのごとき演説をぶつ、「父ちゃんキャラ」に変貌しておりますが、俺としてはそんな信吉父ちゃんがお気に入りなんであります。