スレイヤーズすぺしゃる24 地底王国の脅威 (富士見ファンタジア文庫)
魔海の近くを航海してみたり、地底王国(○○ー○の住処)を走り回ったり。
街や村のゴタゴタに巻き込まれる普段のスレイSPとは違った雰囲気です。
でも、それがおもしろい!
最近のSPの中では一番傑作なのではないかと思います。
それと、あらいずみ先生の絵もかなり素敵でした。
ギャグ絵もありますが、昔のスレイ(原作)を彷彿とさせる絵もありました。
冨田勲の世界~オリジナル紙ジャケットBOX(紙ジャケット仕様)
コンピュータミュージック(この表現が妥当かどうかはともかく)の先達が、ほかならぬ冨田勲氏です。当時その使い方や存在意義すら分からなかった「シンセサイザー」をたくみにあやつり、初めて音楽作品として成功させた、氏の集大成が本作です。往年のクラシックの名曲を、氏の独特のアプローチで表現しています。ドビュッシーの「月の光」「雪は踊っている」といった印象派の小品から、ベートーベンの「第9交響楽」といった大作まで、冨田氏のシンセサイザーへの思いも一緒になって聴くことができます。
私が初めて冨田作品に触れたのは今から25年以上前。氏が小松左京氏と対談しているラジオ放送でした。そこで紹介された氏の処女作である「銀河鉄道の夜」やオネゲルの「パシフィック231」などは、童謡や歌謡曲しか知らなかった私に大きな衝撃を与えてくれました。すでにYMOがデビューし、コンピュータミュージックは認知されていたのですが、「コンピュータが奏でる音楽」という印象の強かったYMOに比し、冨田氏は「コンピュータだからこそ表現できる音色(おんしょく)」に強く注目し、クラシックの「近代の表現者」として努力まい進していたことに感銘を受けたものでした。
冨田氏はシンセサイザーでの作曲のほかに、宇宙から電磁波として送られてくる音源の収集、ドナウ川やニューヨークでの野外ライブなど、貪欲に「音の魅力」をアピールしてきました。本作を聴くと、「音の魅力」のとりこになってしまいます。その手段としてシンセサイザーがあるのであって、決してシンセサイザーの電子的な音が主役になっているのではないことを感じ取ることができるでしょう。
コンピュータミュージックの先達の試行錯誤と、その後の音楽界に与えた影響を考えながら聴いてみてください。そして「音の魅力」を味わってみてください。クラシックの名曲たちが新たな生命を吹き込まれ、近代に再び登場し、音遊びを楽しんでいるような印象を受けると思いますよ。
ドラゴンランス秘史 ドワーフ地底王国の竜
かつて富士見書房版のドラゴンランス戦記を読んだのは、中学生の頃であった。あのときから、伝説、セカンドジェネレーション、夏の炎の竜、そして魂の戦争とドラゴンランスの物語は進み、私も30歳を超えた。そして今改めて、ドラゴンランス戦記の2巻と3巻をつなぐ部分のストーリーを読めることに、大きな喜びを感じると同時に、筆者がプロローグで書いているように、時計とカレンダーが巻き戻されたかのような錯覚を覚えた。これはひとえに、ドラゴンランスという壮大な物語が、長きにわたって私の中で名作でありつづけたということの証だと思う。一度でもドラゴンランスのファンだった方には、是非読んでもらいたいと思う。
しかしながら、ドラゴンランスシリーズを読むのはこれが初めてという方にはこの本はおすすめできない。関心を持たれた方は、少なくとも戦記を読んでからの購入をお勧めするし、できれば時間はかかるが全シリーズの通読をお勧めする。「ドワーフ地底王国の竜」に登場するキャラクターたちが、その後どのような人生を歩むのかを知っていながら、彼らの若かった時代のストーリーを新たに読むことはまた格別である。ドラゴンランスシリーズは、間違いなく傑作です。
ただ、全シリーズを読破しようにも、なかなか本が手に入らないという現状は大きな問題である。出版社には、全シリーズの再出版を強く希望したい。敷居を低くするためにも、文庫版で安価に抑えてお願いします。指輪やハリポタによりファンタジーが広く一般人にも認知されるようになった昨今、このような名作を埋もれさせておくのはもったいないです。