5分でできるド定番モノマネ100―『音声学』で学ぶモノマネのコツ(ウケル技術)
この本はかなりヤバイです(笑)おもしろい!!「5分でできる…」のタイトルにつられて手に取りましたが、ホントか〜!?と半信半疑でした。でも、びっくり!ホントに5分で田村正和になってる。ちょっとオヤジっぽいけど、音声学で解説してくれているから思わず納得。表紙のイラストもカワイイです。「できる!ウケる!」の後に小さな「ハズ」が付いているのもイイ味だしてます。電車で読むのはお勧めしません。読んでいると、ついマネしたくなります(笑)
歌謡曲番外地 東宝レコードヴァラエティ編~お尻の歌だもんね
これは聴かぬが損、というか少しでも関心があるなら是非聴いてほしい作品群。冒頭アイドルフォーの「お尻の歌だもんね」からして底抜けの能天気さが絶好調のコミックソング。同グループの2曲目は意外にも真面目なムード歌謡。
続く小鹿敦の「特急ポッポ」はアップテンポの傑作。さすが名バイプレイヤー、地方訛りも板についている。これがのちの小鹿番、実に貴重な音源。意外にも渋い喉を聴かせるのが黒沢年男「送らないぜ」「おふくろのうた」。田中邦衛の「ひとりぼっちの君よ」はフォーク調の楽曲ながら、ヒューマニズムあふれる詞が人生を語る傑作。
陣野命「高校悪名伝」は、まさに「不良番長ここにあり」といった感じの気合の入った熱いヴォーカルが聴くものの魂を揺さぶる強烈な1曲。19曲目〜ラストにかけて宝ジェンヌ関連の音源が続くがこれも素晴らしい出来栄え。ヴァラエティに富んだ面白さという意味で十二分に楽しめること請け合いの、これぞ歌謡曲番外地ファン必聴のアイテムである。
仁義なき戦い [DVD]
男なら誰しもが一度は憧れるであろう「暴力」の世界をリアルに描いた作品。
鬼才、深作欣二監督の最大の名作。
主演・菅原文太のカッコよさ思う存分にやられて下さい。
梅宮辰夫・松方弘樹・金子信雄・渡瀬恒彦・田中邦衛等名俳優達を
世に送り出した作品とも言えると思う。
戦後当時の広島ヤクザ社会における人間関係や組織の構造、
暴力社会の秩序、そして老獪で残忍な親・山守(金子 信夫)に対する
主人公・広能(菅原 文太)の心の葛藤や、それでも筋を通そうとする
男の生き様を見事に表現しています。
男社会のいろんな立場における「人間臭さ」や「男気」が
プンプン漂ってきます。それはとてもリアルに。
当時(1973年)の映画にしては(却ってかもしれないが)暴力表現や
出血・殺人シーンがリアルなので、そういうの弱い人には、
少し不快かもしれない。
2003年、いまでも最高に楽しめる映画のひとつです。
まだ見たこと無い人は、是非どうぞ。
最後の忠臣蔵 Blu-ray & DVDセット豪華版【特典映像ディスク & 解説ブックレット付き】 (初回限定生産)
江戸元禄期、赤穂浪士による吉良邸討ち入り後の物語。47士唯一の生き残りと言われる寺坂吉右衛門と大石の従者、瀬尾孫左衛門を軸としている。
本作はあくまでフィクションであり、史実ではない。寺坂は討ち入り前に逃亡したとも言われ定かではなく、瀬尾も逃亡後、出家したらしい。
本作では両者共に大石の密命を帯び、寺坂は浪士の遺族を見舞うため(この設定は「忠臣蔵」に基づく)、瀬尾は大石の隠し子を護るために生きながらえる。
主人公である瀬尾の、主たる大石と死を共に出来なかったことへの後ろめたさと密命の完遂とのジレンマによって、悩み生き続ける様が観ていて切なくなる。決してハッピーエンドとは落ちないところに、武士道というはかくなるものか、と目頭が熱くなる。
最後の忠臣蔵 特別版【解説ブックレット付き】 (初回限定生産) [DVD]
基調低音として人形浄瑠璃「曽根崎心中」のシーンを使って登場人物の想いを代弁させたり、流れる滝、静謐な竹林、紅葉の道、揺れるすすき、ふりしきる雪といった「日本的」なオブジェを奥行きのある美しい映像で見せたり、さらに、陰影あるライティングで蝋燭や行灯の火を想像させるなど、海外を意識して作っているようにも思えます。
主君の命をひたすら守る50代の男と主君の隠し子とのあいだには、いやおうなく父子愛のようなものが生まれます。とりわけ可音にとっては、次第に特別な愛に変わって行きます。父と成長する娘との関係の微妙さ。孫左衛門と可音との場合、血のつながりがない分、その愛情関係がより微妙になります。「父親」の代理から愛する男への転換は紙一重なんですね。
ラブシーンとして上手いと思ったのは、嫁ぐ日の可音が、孫左衛門にいきなり「抱いてほしい」と言う。孫左も「?!」という顔をする。え?!これは意外な展開か!?と一瞬思う。が、すぐに可音は、「孫左、幼いときのように抱いてほしい」と。彼が幼い彼女を背中に抱いて育てたことを思い出して言っているのだけれど、むろん、それだけではない。しかし、孫左衛門は、家来らしい律儀さで、深く遠慮しながら、「こうでございますか?」と彼女をそっと抱く。すると可音は、「もっときつう」と言うのである。ここには、「純愛派」も「ロリコン派」も感動させる微妙なエロティシズムが表現されている。まさにハイライトシーンでした。
ハイライトと言えば、可音の婚礼行列シーンも素晴らしい。すべてを知った、吉右衛門や浪士たちが駆けつけるその様は、まるで孫左衛門の花道のようで、涙なしには見られません。
一方で、ある意味、武士とは命令と服従のマシーンであることが描かれます。孫左衛門は、大石の命令でその一生を隠し子・可音の保護と育成に尽くす。そのことを頼むとき内蔵助は、「そちの命をわしにくれ」と言う。すると、孫左衛門は、すんなりとそれを受け入れるのだ。これって、凄いですよね!!「命をくれ」と言われて「ハイ、渡します」と言うのだから。
ラスト近く、その矛盾をゆう(安田成美)に、「武士の心のなかにおなごは住めぬ」と言わせています。色々な意味で、この言葉の含蓄は深いです。
孫左の自分を殺し、武士として生きる様。可音の楚々とした美しさと、健気さ、そして思い切り。ゆうの過去を背負った人生と、孫左を想う気持ち。それぞれに涙。