言葉にできない〜小田和正コレクション
曲目リストをちらりと見ただけで名曲揃いなことはわかります。
甘かった。
聴いたら想像をはるかに上回ります。
キラキラのほっこり感直後、言葉にできないのイントロでがつんと心臓を揺さ振られます。
私は仕事で卒園式にも使いました。
プレゼントにも素敵だと思います。
僕の贈りもの(紙ジャケット仕様)
フォークデュオと呼ばれながらも実は、当時の全盛期だった様々なアーティスト、バンドとは、音楽的にも、レベル的にもかけ離れた存在で、これだけのセンス溢れるOff Courseがほとんど受け入れられなかったのは時代背景だけでなく、日本にOff Courseのようなクオリティーの高いことをやっていたアーティスト、バンドが希有だったこともあげられるような気がします。しかしながら、一般大衆に認められなくても、実はプロのアーティスト、バンドの中には認められ、隠れOff Courseファンもいたことは事実でした。あるプロの方が当時の彼らが書いた横に長い複雑な譜面を見て驚いていたという話も事実です。初めてのオリジナル作品集である『僕の贈りもの』は一部始終気持ちよく聴けます。心がさわやかになり、春になると聴きたくなるアルバムです。このアルバムの4年くらい前頃から覚えたとは思えない小田さんのピアノ。要所に於けるピアノの美しいフレーズ、小田さんも絶賛するYassさんのギターの巧さ。また、ほとんどのミュージシャンが使用しない難易度高いコードワーク、アレンジワーク。難しいコードを並べるだけでは素人がよく陥るパターン。彼らの場合は、単純なメジャー&マイナーコードから、あらゆる複雑なコードなどをすでにマスターしていた上、それを織り交ぜながら曲作りに挑んでいたこと。また彼らが影響を受けた音楽もこのアルバムから、後のOff Courseに多大な影響を及ぼすであろうことは推測できるでしょう…。特筆すべきは、やはり二人のハーモニーの美しさと作曲、編曲のセンスの良さです。「よみがえるひととき」「水曜日の午後」「地球は狭くなりました」「でももう花はいらない」「歩こう」「ほんの少しの間だけ」「静かな昼下がり」「さわやかな朝を迎えるために」はおすすめです。
僕と最高のお姉さん―六つの贈りもの (フランス書院文庫)
『六つの贈りもの』を貰うのに全286頁ではちと少ない。各章1人ずつ(第二章は2人)、計7人ものお相手が登場する、オムニバス形式のような物語である。実姉の友人にお情けとも言えそうな筆おろしをしてもらう第一章からして何となく形ばかりのセックスに芳しくない印象を覚えたが、この雰囲気が最後まで続いてしまった。しかも章が移ると別の話になるので各ヒロインとの交流が心身共に浅いのである。生娘な家庭教師の「初めての男」になってからの図書館デート(個室での対面座位)では、こんな静か過ぎる場所でチャレンジャーだなと思いつつ、困惑していた家庭教師が次第に艶っぽく淫らになっていく様が良くて、これから良くなるかもと思った矢先、次章でその先輩に見初められ、またお姉さん主導の情交に戻ってしまう。しかも関係がバレると家庭教師の方が主人公の元を去ってしまい何とも残念な気分が残った。こうしてヒロインが次々と退場していく中で、実姉の同僚という受付嬢と知り合い、この人こそ!との想いに至るのだが、どんでん返し的な仕打ちを受けてしまう。この仕打ちは主人公の視点から見れば寝取られなのだが、読み手はそこまで感情移入できないので寝取られ感は無い。そして全てを失った主人公の向かった先が巡り巡って……という結末である。傷心の主人公を介抱する甲斐甲斐しさにこれまでの優しさが重なって想いに気付くのだが、冒頭でこのヒロインに対するそっちのけ振りを読んでいるので「何を今更」という調子の良さを感じるところもある。なので、お互いの愛情を改めて確認し合う悪くない演出がどーにも冷めた見方になってしまい残念だった。あと、このテの渡り歩きは大人の浮気遍歴として見かけることはあるが、高校一年生だと出来過ぎ感あり過ぎの違和感があるように思う。