自由からの逃走 新版
本著はナチズムに逃避したドイツ国民とりわけ社会不安を最も受けた下層中産階級の社会的性格を精神分析の手法を取り入れながら解明すること主眼とした論考であるが、そこに至るまでの前近代と近代の差異、近代初期宗教改革時の中産市民分析、そして近現代人に共有される不安感無力感を綿密にした点でも大いに評価に値するであろう。21世紀を生きる我々にも当てはまる複雑精緻な分析は本著を古典たらしめいてる。
逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録
私は市橋達也という人物に興味があるのではなく、その書いた本の内容が気になってこの本を買いました。全くの興味本位で、出版社の思惑通りだと思います。
内容について。本の題名通り、内容は逃亡し続けた2年7カ月の「回想」になっています。犯行の動機や事件現場の詳細については、触れられていません。文章は多くの方が指摘されている通り、作文みたいで幼稚です。ですが彼の目を通して見る世界が、とてもリアルに描かれています。
「こんな事件を起こした人間の目を通して世界を見ると、どんな風に見えるのだろう?」そう思って本を読み始めました。彼のフィルターを通して得られた情報や、それを軸に彼が考えること…、それらは少なくとも私には共感できることばかりでした。彼の感性は普通の人だと。そして逃走劇は、きちんとした時系列になっていて内容も詳しいです。彼の記憶力はとてもいいらしい。彼の綴った文章に、信頼を置いて読むことができました。
この信頼と、殺人を犯しその後逃亡するという非日常とが混ざり合っています。見つからないために冷静に状況を判断し、自ら整形を施すといった行為も淡々とこなす。蛇を捕まえて食べたり、海水を濾過しようとしたり、…サバイバルな生活を送ります。
この逃亡者としての姿は、大昔から変わらないのではないかと思いました。世間に顔向けできないような罪を犯した人間は、みな彼のように息を潜め、白日の下に晒される恐怖心と闘い続ける。しかし人間の心はそこまで強くないし、隙だらけです。だからネコと暮らしてみたり、星空を見上げて感動したりしたのではないでしょうか?それが平安時代も21世紀の日本でも、国がどこだろうと、、時と場所なんて関係ない。
世の中の犯罪者は、良心が完璧に壊れている人は意外と少ないのではないかと考えています。市橋容疑者には、それが残っているように見えます。しかしいくら本人が反省しようと、罪は消えません。誰しも、取り返しのつかない罪を犯し、良心の呵責に苛まれ続ける人生は送りたくないことでしょう。しかし一瞬の感情の高ぶりは、このバリアを壊してしまうことがあります。どうか、自分の人生にはそんなことが有りませんように…そう願わずにいられません。
色々書きましたが、この本を読んで良かったと思います。彼は、これから気持ちをどうすることも出来ないまま、死ぬまで生き続けるのでしょう。ですから、本を読んで不愉快に思うことは有りませんでしたが、少しやるせない思いが残りました。
私の億万LOVE ~我的億萬麺包~ DVD-BOXI
イタキスの印象が強いせいか、評判はイマイチだったようですが、私は好きですよ。
前半は喧嘩ばかりで続けて見ると疲れますが・・・。
後半真面目になってきてからが見物です。
ジョセフがカッコイイスーツ姿を披露してくれてます♪流石モデル出身ですね!!