プロ野球 戦力補強の通信簿 2000-2010
00年代のプロ野球界を球団別に振り返っている。
所々、誤植はあるもののプロ野球ファンには興味深い一冊。
最も印象に残ったのはオリックスの激動の10年だ。
イチロー退団から、契約金ゼロ制度、球団合併、監督の死、清原引退、
そして着々と進行する大阪移転計画。
人間の記憶は曖昧なもので、
実際の記録と自分の思い込んでいた記録が違う箇所も多く勉強になった。
プロ野球に少しでも興味のある人なら、値段以上の価値はある一冊だ。
プロ野球スカウトが教える 一流になる選手 消える選手 (祥伝社黄金文庫)
往年の有名選手(巨人)が出てくるので、それなりに楽しく読めました。
個人的にはもっと技術的な部分を鋭く斬り込んでほしかったのですが、無難にまとめられている印象です。
桑田真澄さんの本もそうでしたが、野村ノート的な濃い本を期待していると、ガクっとくるかもしれません。
21世紀への伝説史『長嶋茂雄』DVD3巻セット&愛蔵本3冊
ミスターの伝説としてまず最初に有名なのが、佐倉一高時代に大宮球場で打った、あの大HRだ
と思います。それ以前のミスターがどういう野球少年であったかはあまり知られていませんが
、第1巻は小中学生時代の当時の級友の証言があり、なかなか貴重です。
あと、ミスターの現役最後の打席はショートゴロゲッツーなんですが、その最後の打席に入る
時のお客さんの大拍手、あれは今の選手でもあんなスタンディングオベーションを受けること
はないでしょう。それぐらいものすごいです。
あと僕が気に入っているのが、オープニングのバットが映るシーンとその時のBGM、1巻のエン
ディングにチャゲ&飛鳥の「On Your Mark」、2巻のエンディングに佐野元春の「Someday」が
使われている点です。本当に内容にマッチしてて、そのまま地上波のゴールデンでOAしても高
視聴率がとれるのではないかと思わせるほどです。
野球にときめいて―王貞治、半生を語る
ドラゴンズファンである。しかし、王選手だけは常に別格である。自身の素晴らしく、輝かしい記録や生き方をよくもこれだけ謙虚に書かれたものだと敬服せざるを得ない。野球の神様はやはりいらっしゃるのだと私も思う。これだけの方を日本の野球界に送ってくださったのだから。
王選手の現役時代の記憶は実はかなり後半になってから。小学生当時は、756本という中途半端な数字がなぜ、そんなに注目されるのかよくわからなかったが。当時は、試合数が何試合とかも知らなかったし、野球が仕事になることの大変さも全くわからなかったし。確かに、ホームラン30本で引退されたのはあまりにも惜しかったなと、今の感覚で言うとそう思う。868本のホームラン。1年40本としても20年以上、とよくファン同士語るのだが、「1年に40本っていう前提自体、すごいよね」とお互いに笑う。
監督としては、ジャイアンツよりもホークス、ソフトバンクでのイメージがすっかり板についている。あの「生卵事件」についてもふれ、「自分たちが勝てば、こんなことはされないんだ」と選手に語ったというくだり・・。読んでいて、涙が出そうでした。
WBCの初王者になったことでイチロー選手の素晴らしさを書いています。もし、この二人が選手で日本チームにいたら。もし、王さんが現役のときにメジャーに行けていたら。いや、もしもう3年、現役が続いていたら。いろいろなことを読みながら考えてしまいます。「持ってる」という一言で言うには、あまりに偉大な野球人。
自分は野球人ではありませんが、生き方や考え方は真似したくなる方です。
伝統の一戦 阪神VS巨人70年史 [DVD]
本作は阪神・巨人戦の歴史の中から名場面を選りすぐり、阪神サイドから光をあてた阪神版。私は巨人ファンだが関西で生まれ育ち、毎日阪神の記事が一面のスポーツ紙を家でとっていた。したがって、阪神の選手たちにも思い入れがある。私がプロ野球に一番熱中していたのは巨人のV9中期から長嶋巨人初期にかけて毎年のように巨人・阪神が優勝を争っていた時期である。残念ながら、戦前から江川・小林の因縁の対決の頃までは、ナレーターこそ違うけど(本作では月亭八方)巨人版と同じ映像が使われている。王の素振りの場面まで本作に入れる必要があったのだろうか。この時期で巨人版にあって阪神版にないのは王の1試合4打席連続ホームランの試合ぐらいである。私が一番思い入れのある村山・江夏・田淵の映像が阪神版にしては少ないのが物足りない。
阪神版が独自色を出すのは85年から。そのシーズンのTG第1戦、伝説のバック・スクリーン3連発の第2戦など、あの年の阪神打線の凄さを見せつける試合が次々に紹介され、最後は55号を打たれないように巨人投手陣がバースを敬遠する、巨人ファンには恥かしい場面で締めくくられる。その後、阪神は長い暗黒時代を迎えるが、92年の亀山の活躍、新庄や井川の台頭、代打八木の活躍等で巨人にサヨナラ勝ちした試合が多く収録されているので、阪神ファンは満足できるだろう。巨人版ではこの頃はホームランで勝つ試合が、阪神版ではヒットを積み重ねて勝つ試合が多く紹介されている。野村監督の時代には開花しなかったそのこつこつ野球が、星野・岡田両監督の下での優勝に結びついていく軌跡がよくわかる。
本作に登場するには、魅力ある日本プロ野球の歴史を作った阪神・巨人の名選手たちばかりである。熱い対決の伝統が今後も引き継がれることを願ってやまない。