リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)
2006年のNewsweek誌に続き、TIME誌が2007年 “世界の100人”に選んだリサ・ランドール博士(1962年生/女性)は人類の世界観を覆す概念で、宇宙物理学の分野で革命を巻き起こしている。
高次元世界の中の3次元の膜世界こそが、わたしたちの住む世界であるとし、5次元やさらに高次元時空(余剰次元)の存在を提唱し、宇宙自身が何次元なのかを解き明かそうとするノーベル賞に最も近い人物といわれている。
2008年、スイスでの加速器実験で博士の理論が実証されれば、アインシュタイン以来の21世紀最大の発見になるかもしれないそうだ。
わたしたちが暮らす縦、横、高さの3次元空間に時間軸を加えたのが4次元だが、5次元は普段経験している3次元の生活とはまったく異なった、もうひとつの別世界であるという。
わたしたちの住む宇宙は、3次元の膜のようなものの上にはりつけられているため、5次元を感じることも行くこともできないが、5次元世界は確かに存在していて、3次元世界に驚くような影響を与えている可能性があるという。
さらに5次元宇宙には別の3次元宇宙が平行して存在しているかもしれないとし、この間を行き来できるエネルギーが重力で、重力エネルギーが5次元宇宙とその向こうにある別の3次元宇宙を調べる大きな手がかりになるという。
わたしたちの住んでいるという膜世界をシャワーカーテンに例えてみせたり、フラットランド(平面の国)による説明は秀逸で、イメージしにくい理論をビジュアライズしてみせる発想力には脱帽させられる。
異次元について、考えれば考えるほど、現時点でのわたしたちの知識がどれほど限られたものであるかを実感させられるが、宇宙はわたしたちが考えているよりはるかに大きくて豊かで、変化に富んでいると考えているそうだ。
本書で博士の人となりや、SFはもはや空想ばかりだとはいえないというなど、最先端の理論に誰もが知的興奮を味わうだろう。
眠れなくなる宇宙のはなし
くだけた文章と手書きのイラストで、古代から現代まで、宇宙に対する人の考え方の変遷を物理学だけでなく宗教や哲学を交えて解説しているのが本書です。
ですから、さまざまな哲学者や物理学者の名前がでてきます。
それらについての素養があると、一層おもしろく読めると思います。
月や惑星探査、宇宙開発、未確認生物などに関する内容ではありませんので、宇宙の神秘やトリビアのようなものを期待して購入するとがっかりするかも知れません。
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最近の天文現象満載です。彗星や流星群、日食、月食、オーロラなど、一つ一つの時間配分も、説明内容も充実しています。使われている音楽も落ち着けて、とてもリラックスできます。
特に、皆既日食のダイヤモンドリングは感動的で、ため息の出るような美しさでした。