因果鉄道の旅 (幻冬舎文庫)
学生時代に繰り返し読み込んだ一冊。解説で吉田豪さんも書いてましたが、「でもやるんだよ!」というこのフレーズに、どれだけ助けられたことか。
内容が内容だけに、文庫になるなんて予想もしてませんでしたが、イラスト図版いっさい無し、カバーも手に取りやすいデザインのため、受ける印象はかなりソフトです。根本さんのこれまでの人生で起きた因果な出会いを駅に例えて紹介してくれるこの本は、根本敬を知りたい人が最初に読む一冊として最適ではないでしょうか。
(個人的には図版が入った単行本版の方が、濃くて好きではありますが。)
単行本が出て15年近く経つのかな? 根本さんの因果道に欠かすことのできない蛭子さん、佐川一政さんと組んだハッテンバプロダクション、ウェブの小説など、未だに変わらず新しい試みをしているところにも、頭が下がります。
これからも、「でもやるんだよ!」精神で、乗り切っていこう、気を新たにさせてくれた一冊でした。
ニンテンドーDS ポケモン ダイヤモンド&パール スーパーミュージックコレクション
CDに入っている曲は149曲、過去のポケモンのCDの中では最多です。
というのも今回のゲームは同じ場所でも昼・夜2種類の音楽が存在するので
必然的に曲の数は多くなります。
ダイパの曲が好きな人はかって損をしない一品です。
スーパーコレクションという題ですが、今のところ無い曲は確認できていません。
殿堂入り後の冒険であるハードマウンテンや
戦闘!伝説のポケモン(ギラティナ・ロトム・ヒードラン・ダークライの音楽)
もあります。
私のお気に入りは「戦闘!ユクシー・エムリット・アグノム」(Disc2-37)です。
あとDisc1:78曲、Disc2:71曲ですので1曲あたりはそんなに長くありません。
もう少し長くして3枚組みぐらいでもよかったかなぁ
Seventh Avenue South
「おれをわかぁって、くれなあくていいいよ」一曲目のcoolから尋常ではない。ヨシタカ氏初のNY録音であるこれが出た頃、ちょうど大貫妙子がクリシェで初パリ録音。ということで、FMレコパルかなんかで対談記事が企画されていました。そのころYMOファンの多い僕の周辺ではター坊はまだ人気があった。しかし、当時すでにサカモト教授から離れていたヨシタカの新作に興味を持つヤツはおらんかった。そもそも、いきなりアルトサックスのソロが延々とかまされる。田舎の高校生はジャズなんて知らないからそれだけで退屈してしまうのがほとんどであった。僕?僕ぁなんで聴いてたんでしょ?やっぱり、「おれを~」っていう気分がスゴクしっくりきたのだろうか?他にも「スコッチインザレイン」「夏服を着た!女たち」「天文台」「ホーム・タウン」「口笛を吹く女」「CHAT NOIR」などの曲にも気になるフレーズがいっぱいだ。今日はキザにいきたい、そんな時に(女性にはちょっと苦しいと思うわー)
村崎百郎の本
かつての親しい仲間が集まって、あいつは鬼畜だなんだと言われていたが、実はいい奴だった、素晴らしい仕事ばかり残した。 などと盲目的に語る本では決してない。 京極夏彦は「高校の先輩と後輩」 今野裕一は「親分と子分」 根本敬は「漫画家と編集者」 人によって関係性が異なるのは当たり前と言えば当たり前だが、 そのキャラクター上、実体が掴みにくかった村崎百郎という人物が多面的に語られているのは、 それだけでも非常に掟破りな事であると思う。 また、先に書いたように、この本は必ずしも村崎の全仕事を肯定しているわけではない。 座談会における、村崎の著作を直に享受した若手ライター達は、後期の村崎のやや物足りない仕事に対して、 雑誌メディアの衰退とネットの興隆の関係性を見る。 彼らの冷静な分析は、いわゆるサブカルチャーに対する、ある程度の世代間の距離が成せるものだと思う。 村崎百郎という人物を人柄や仕事の面からだけではなく、 彼が駆け抜けた悪趣味ブームの本質、その背景まで包括的に記載した、 短期間で製作されたとは思えない密度の本だ。