医学がヒーローであった頃 (阪大リーブル)
ポリオ対策における日米の差を比較している
ウイルス研究は細菌の研究に対して困難が多くサルなどの実験動物の費用も大きい
そのため、黄金期のアメリカの国力によって研究が一気に進んだ面がある
それに対して日本では研究施設がないために研究そのものが等閑視され
結果としてポリオ大流行に打つ手無しになってしまった
その後、当時のNHK記者で後の社会党代表となる上田哲が
NHkの組織を使って患者数の統計を取り、左巻経由の情報でソ連でのワクチンの効果の情報を手に入れ
政府に対してソ連からのワクチンの緊急輸入を実現させるのである
著者曰く、政府要人も医師もこの一人の記者に勝てなかった、と
アメリカの黄金期の医療体制の強化と日本の医療システムや医療教育の対比は
まあ出羽守的な側面はあるにしろ、技術移転論や教育論としても興味深い
残念なことに日本のワクチン政策は未だに迷走を続けているが
それに対しての一つの考え方を与えてくれるところもあるかもしれんな