日本書紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)
愛読書の一つ。原書で読んでも、本書は手放せない。ハンディで読みやすい現代語。ただ時々端より過ぎていることがある。肝心なことで結構汚いことや、奇態なことが、纏められて原文の語句をそのまま現代語に直していないところがある。次回改訳のときはぜひ、そういうところにも気を配って下さい。「日本書紀」は「古事記」に比べて人工的で、過去の雰囲気が伝わっていないことは宣長の時代からの有力な感想だが、僕はそうは思わなかった。為政者の脚色は或る程度仕方が無くそれは「古事記」も同じだ。むしろ、「あれ?なんでこんなことわざわざ書くのかな」と不思議に思うことが多く、著作者たちが、故意に後世に疑問を持たせ、隠蔽したことを気付かせるような「努力」とさえ言いたくなるような部分が随所にあって、わくわくする。そんな箇所は枚挙に暇が無いが、スサノオが異説によるとソオルに行って泥の船で帰ってくる所とか、いろいろある。それと崇神天皇以前は作り物とよく言われるが、案外に事実が詳細でにわかに作り物とは信じがたい物が多い。それとしばしば古代日本の支配層と朝鮮との同一性を主張する向きもあるが、初期の頃から明らかにグループが異なることがそれとなく分かり、後半になると「韓語で話した」と断っているように完全に異人種扱いである。深い関わりが隠蔽されているとしても、意外と思っているよりは距離があるのかもしれない。兎に角随所に興味尽きない箇所が多い。
風土記
四季折々の風物詩を姫神サウンドで味わう一枚。
曲の間に挿入されている日常の何気ない「音」がまた良い。
ほっこりとした気分にで癒されます。
5. 空と雲と友と~白い波~
9. 星はめぐり~雪わたり~
などは隠れた名曲だと思います。
現代語訳 日本書紀 (河出文庫)
ある神職さんから、現代語で日本書紀を読むならと紹介された本です。
文章もこなれていて読みやすく、解りやすい本です。
文庫本と言うこともあり、日本書紀全てではないのですが、重要なところは入っています。全部入っていれば言うことなしです。
常陸国風土記 全訳注 (講談社学術文庫 (1518))
各段ごとに、訓み下し文、現代語訳、注、解説を施す丁寧な構成。
現存する風土記の中では地域の伝承を最も豊かに語ったものだと思います。中には当時の人々を伝えるものも。歌垣に関するものはその代表例。また日本最古の貝塚の記述も。きっと古代の人々は、誰がこんな大きな貝殻の山を作ったのか不思議だったんだろう、と思ってニヤリ。
『記紀』の神話伝承とともにぜひご一読を。