放浪息子 1 [Blu-ray]
見終わったあと、とても暖かい気持ちになりました。
映像がキレイなのはもちろんですが、作品の持つ雰囲気が良くて、派手なシーンなどなくても引き込まれました。OP・EDも共に素晴らしいです。
主人公の二鳥君は女の子になりたくて、やはりそこが話のメインなのかなと、当然ながら思っていましたが最後まで観て違うと感じました。
この作品が本当に描きたかったのは、友達とか家族とか、誰の日常の中にもある、まわりの人たちとのつながりだと思います。
女装をすることを認めてくれて、優しくしてくれる人がいるということの有り難さ。
辛いこともあるけれど楽しいこともいっぱいあるということ、そういう日々の大切さを感じました。
最終話の二鳥君のすがすがしい表情が印象的です。
個人的にはこうした優しい作品がもっと多く生まれることを願っています。
放浪息子 12 (ビームコミックス)
この作品では、細かな説明は大胆にカットされているので、各キャラクターが付き合い始めたとか、別れたとか、そのへんがわかりにくい。
千葉というキャラクターのわがままさは、少し度を超えている。
作品自体は穏やかなタッチで描かれているが、作者はかなり気が強いんじゃなかろうか。
あと、キャラの描き分けが少しわかりにくい。
上記の不満点は「青い花」ですべて解消されているが、人によってはこちらの放浪息子のほうが好きなのかもしれない。
いつだって。
日本工学院のテレビCM、放浪息子のオープニングテーマ曲に採用された曲。
歌い手のダイスケは現在ZIPに出演をしている。
ポルノグラフィティーに声が似ていると言われれば似ているかもしれない。
元気が無いときに聞くと元気が出る曲であることは間違いないです。
放浪息子 (1) (BEAM COMIX)
ふらふらふらと
あらすじ
女の子になりたい少年・二鳥修一と、
男の子になりたい少女・高槻よしの。
誰にも言えないこの気持ちの行方は・・・
感想
アニメを見ていてすっかりやられてしまい原作を購入。
アニメだと中学校が舞台ですが、
お話じたいは小学校から始まっていたんですね。
1巻では、小学生の二鳥くんと、高槻くんのお話が描かれます。
個人的には、自分とは違うものに憧れて、
憧れと現状のギャップに戸惑いながらも
懸命に生きていく子供たちの物語だという印象を受けました。
分かりやすいゴール
(例えばお金をためて、周囲の理解を得て、性転換を目指す)
が提示され、そこを目指すわけではありません。
だから、話はあっちへ飛んだり、こっちへ飛んだりと
放浪息子のタイトルに相応しく(?)ふらふらします。
主人公の二鳥くんの放浪(揺らぎ)が周りの人間にも波及して
新たな揺らぎが生じ、その揺らぎがまた・・・
登場人物が放浪放浪することで広がっていく世界のさまを
ゆっくり眺めていく漫画だと感じました。
読んでから一言
デンジャラスビューティーの萌芽が小学生の頃から
放浪息子 1 [DVD]
「放浪息子」アニメーションです。
原作は10年近く連載していて、小学生から中学生へと移っていく過程でのお話ですが、
「思春期前夜」から開始している漫画とは異なり、アニメは原作の5巻・中学生編の「思春期」からのスタートになります点をまずご注意下さい。
画は淡い水彩画のような雰囲気で終始映し出されていて美麗です。但し、キャラの画は原作見慣れているとやや違和感あります。特に
「修一」
「よしの」
「誠」
の3人は原作画の雰囲気との乖離が大きい。
テーマソングもOPでは男性、逆にEDでは女性を起用しているのですが、作風を考えると両方とも女性が良かったように思います。
実際にOPよりはEDのほうが作品のイメージに合うというか違和感がないです。
1話の中学入学式でいきなり主要キャラだけでわらわら登場するので、原作未読の方は最初で混乱すると思います。
それと特筆は主役の二鳥修一役に現役中学生の男の子を当てている点。
普通はこれくらいの男の子の役は「女性声優」を当てるのが当然でした。
しかし、この作品ではリアル志向からか男の子を配役しています。
確かにリアルなのかもしれませんが・・・原作から二鳥君の声を「可愛らしいもの」と想像していただろう多くのファンには肩透かしな点も
弊害として出てます。それに演技もお世辞にも上手いとは言い難い点も併せて。
他の声優の方は問題ないですが。
途中を端折られた感がバリバリの原作の「小学生編」は中学生編の中の「回想シーン」として度々登場するという構成の模様。
21世紀になってから新規で開拓されたアニメのジャンルに
・百合もの(少女同士の恋愛・友情をテーマにした作品)
・女装する男の子をテーマにした作品
がありますが、これは実は後者の作品とも言い難いです。
なぜなら既存の後者作品(所謂「男の娘(おとこのこ)」作品)はコメディ調のものばかりで、
女装することを真剣に向き合って描いてきていた作品は皆無だったはずだからです。
これは全編を通して「何故、女装するのか?」を真剣に描く作風のようだから、
女装するキャラを笑って楽しもうなどという目的では観れないと思われます。
逆に言えば、本来はこのテーマ。真剣に描いたら「重すぎて、とても直視できない内容」になるのだと想像されます。
だから他作品は「真剣に真正面から描くことを避けてきて(コメディ路線に逃げてきて)いた」とも言えます。
そこを切り込むこの作品。この作品が「初めての逃げない作品(作品テーマをコメディ調で誤魔化さない作品)」になるんでしょう。
討ち死にするか?はたまた見事に大将首を挙げるのか?
正に「刮目して観よ!(注意して観なさい)」という言葉が相応しい作品と思う。