Musica Poetica: Musical-Rhetorical Figures in German Baroque Music
Bartelは1982年フライブルク大学に提出した博士論文を1985年に刊行していた。Handbuch der Musikalishen Figurenlehre.(Laaber Verlag,Laaber 1985) 本書は、前掲書の著者本人による英訳増補版。第一部は修辞学とドイツ・バロック音楽の関係についての概観。ルター派神学との関係、音楽創作学(現代の作曲法に近いもの)、アフェクト理論(Affekten Lehre)、音楽修辞学についての概論。第二部では音楽修辞学に関する音楽理論家たちの記述を概観する。そして、本書の目玉である第三部は、音楽修辞学フィグーラ(Musical Rhetorical Figure)を、各理論家がどう記述しているか、英訳と共に列挙している。ここでは当時のドイツ・バロック音楽理論家によって名付けられたフィグーラが網羅されているが、今日知られているのに、ここに記述が無い音楽フィグーラもある。それらの多くは20世紀に入ってから音楽学者たちが当時の音楽作品から見出して名付けたものであり、歴史的根拠の無いものなのだ。
本書は音楽修辞学に関する、現在のところ最もまとまった基本図書であり、16世紀から18世紀にかけての(ドイツ以外も含めた)西洋音楽を演奏、研究する者にとっての必読書と思う。
EA Best Selections バロックシューティング
このソフトは、「セガサターン版のシューティングゲーム「BAROQUE」のPC移植版。」で”はない”。
同じ世界観、関連するキャラクターを用いた、完全な別作品である。
バロックの開発元のスティング社は、コンパイルに所属したスタッフが幾人もいたことが知られているが、この作品はむしろ、コンパイル社開発のPCエンジンの名作シューティング『スプリガン』に似たものになっている。
ちなみに、「バロック」は、米光氏、氷樹氏という『ぷよぷよ』『魔導物語』という名作にかかわった人がスタッフに名を連ねた作家性の高い作品。
このソフトは、もともと低価格帯で販売されていたことからもわかるように、単品パッケージソフトとして存在しうるほどの作品性はもちあわせていない。
コンパイルの『アレスタ』や『ザナック』、『スプリガン』ほどの名作として名を連ねることはできなかった。
しかし、販売された値段から考慮すると、それ相応なものにはなっている。
気軽に縦シューティングを遊ぶにはもってこいだろう。
アヴェ・マリア~聖なる調べ
心洗われる美しい選曲。シューベルト、グノーの「アヴェ・マリア」、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」などの有名な曲だけでなく、フィンランドの賛美歌や、ボヘミア古謡など、一体、こんなにきれいな曲を誰が見つけてきたのだろうと感動する曲も入っている。ソプラノはバーバラ・ボニー(2曲)。ドラマチックな声の歌手ではなく、鈴の音が鳴るような透き通る声の彼女を選んだのも、このCDのテーマに合っている。選曲者に脱帽。本当に「祈り」に誘われる一枚。