テルマエ・ロマエ IV (ビームコミックス)
ずっと大好きだったが、この漫画が基本的にギャグ漫画として成立していたのは、一巻、いや第一話のみじゃないかな。そもそも読み切りで、連載さえ意識していないし、予想外の人気で長期連載になった時点で、ギャグ漫画から、歴史物へとシフトしたのが真相。「古代ローマの歴史の裏側を風呂文化を通して描く」という歴史マンガであって、「ヒストリエ」、「ヴィンランド・サーガ」、「へうげもの」(これが一番近い?戦国時代をワビサビの視点で描く)みたいな読み方なら、非常に秀作。ハドリアヌスが出てきて、政治や軍事とからめて風呂の重要性が描かれた時点で、すでにギャグ漫画ではなく、笑うというより、色んな蘊蓄に感心して読む感じ。塩野七生さんの「ローマ人の物語」とかと合わせて読むと、効果倍増。二人の対談とか、編集が企画してくれないかな?内容だが、こんなローマ好きで、ラテン語しゃべれて、才女で、美人で、芸者で・・・なんて現実いるかな?と思うだろうが、芸者で・・・あたりが余計だが、いなくもない。作者本人とか、塩野七生さんが若ければ、それに近いよって思って描いたんだろうから。でも、いよいよ次作で完結くらいじゃないかな。もうさすがにネタギレだと思う。ハドリアヌスの死と、ルシウスの時代を超えた恋は成就するのか?ってのをクライマックスにすえてくるんでしょう。
テルマエ・ロマエ 豪華盤(特典DVD付2枚組)
テルマエロマエ、劇場に2度見に行きました。いずれも、劇場内は爆笑が起こっていました。阿部さんは、トリックシリーズも最高で素晴らしい役者さんだと思います。絶対に買いです。11月までに卒論を済まして、ゆっくり観たい。
2050年のわたしから
言いこと言う人なのに、この本は少し大袈裟で大雑把過ぎる。
もちろんわかりやすく大袈裟にいうのが戦略なのだけど、これだけを見ると誤解を招くのでは無いかと少し危惧した。大きなお世話か。
わかりやすい本なので、著者の入門には悪くない。
しかしこの本を読んで、著者の意見に少しでも興味を持ったとしたら、ぜひもっと突っ込んだ議論を展開する著者の本に手を伸ばしてみて欲しい。
本書で展開されるおとぎ話のような世界が、よりリアリティをもってあなたに襲い掛かってくるだろう。
望遠ニッポン見聞録
イタリア人と結婚した漫画家が、、と書くと簡単そうだが、著者は相当貧乏もし、苦労もしている.イタリア人から見た日本と日本文化に関しての著書である.未だにと思う事も多い.このネットの時代に、まだ時代錯誤をおこしていると(考えの行き違い?)思われるイタリア人も多い事が解った.出来たら、文庫で出して欲しかった.また、もっと細かい観察も色々と書き込んで欲しかった.それで星4とした.でもおもろかった.それは間違いない.
テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)
ああ、みんな優しいな…なんていい人たちなんだろう。
湯船からまさに湧いて出た(笑)ルシウスを別段不審がりもせず(※ギリギリ不審がらずに
済む状況に設定されている)、あれやこれやと世話を焼いてくれる。冷たい飲み物をくれたり、
おいしい物を食べさせてくれたり、身体の具合を気遣ってくれたり…。
そういった事がほぼ全てルシウスにより吸収され、古代ローマで再現される。
ルシウスの名は上がり、次の依頼をどう実現させようか考えるうちにまた平たい顔族の国へワープし、
ジイチャンバアチャンたちに遭遇し、良い思いつきを得て元の世界に戻り…この繰り返しによって
もたらされるルシウスの成功の鍵を握っている彼らの存在はなかなか侮れない。
ルシウスの出逢う、顔が平たいながらも年季の入った彼・彼女らの姿には、今はもう失われた
古き良き日本人を見ているような気になる。そしてその素朴な優しさに心和むのだ。
よくあるワープ物で、ルシウスはその都度日本の風呂を模して安易に成功を手に入れる、このストーリーの
ドコがそんなにいいんだという意見も解るけれど、そういった本筋から少し離れ、
ジイチャンバアチャンたちにも注目してみてはいかがだろうか。打算のない親切にきっと心温まるだろう。
タイトルとは少し外れるが、本作は何もルシウスの安易な成功に重点をおいている訳じゃないと思う。
外から眺めたら日本の風呂文化はどう見えるのか、それを表現するための設定なのだろうから。
時代じゃなく、単に国が違っているだけでも良かったのかもしれないが、やはり浴場文化の盛んだった
古代ローマがもう一つの舞台として一番似つかわしい気がする。ちょっと比較文化論みたい。
本書では普段大して意識していなかった日本人の風呂へのこだわりに改めて気づかされた。
ルシウスじゃないけど、恐るべし平たい顔族!(笑)