じゃじゃ馬馴らし シェイクスピア全集20 (ちくま文庫)
『じゃじゃ馬馴らし』は問題作でもあり、手の付けられないじゃじゃ馬娘キャタリーナが、剛毅な男性ペトルーチオに力ずくで口説かれて結婚に追い込まれる。だが、二人は対立しているようで、実は最初から息が合っているのだ。第二幕第1場、初めて会った二人の、丁々発止の遣り取りを既訳と比べよう。キャタリーナの台詞、It is my fashion, when I see a crab.の、crabを、福田恒存は「蟹」、小田島雄志は「ゲジゲジ」、松岡和子はcrab appleの省略形と見て「ヒネた酸っぱいりんご」と訳す。(福田訳)「ペ:そんなしかめ面するものじゃない。/キャ:これがあたしの癖なの、蟹を見るとね。/ペ:何を言う、蟹なんかどこにもいない。さ、だから、そんな渋い面はかたづけて。/キャ:それがいるのだもの。/ペ:じゃ、見せてくれ。/キャ:鏡さえあればね。/ペ:じゃ、僕の顔がそうだと言いたいのだね?/キャ:よく分ったわね、若いのに感心。/ペ:そうれ、おっしゃる通り、この腕っぷしが若さの賜物。/キャ:いずれ、くたびれるでしょうよ。/ペ:天の恵み。/キャ:天の助け。」 (小田島訳) 「そんなしかめ面しないで。/これは私の癖なのよ。ゲジゲジを見たときの。/ゲジゲジなんかいないぜ、だからしかめ面はよせよ。/いるわよ、ゲジゲジが。/どこに?/鏡があれば見せてあげられるけど。/なんだ、俺がゲジゲジ面だと言いたいのか?/よく分ったわね、その若さで。/もちろん俺には若さと美貌があるさ。/皺もあるわ。/苦労したんでね。/ご苦労様。」 (松岡訳)「さあ、そんな渋い顔しないで。 /私、こういう顔になるの、ヒネた酸っぱいりんごを見ると。/酸っぱいりんごなんてここにはない、だから渋い顔するな。/あるわよ、そこに。/じゃ見せてごらん。/鏡があれば見せられるけど。/え、僕の顔?/よく当てたわね、その若さで。/確かに僕は君には若々しすぎる。/なのに皺だらけ。/苦労したからね。/ご苦労さま。」鏡に映るペトルーチオの顔に喩えているのだから、crabは、蟹やゲジゲジではなく、さえないリンゴだろう。
じゃじゃ馬ならし [DVD]
名優リチャード バートンと出会い結ばれ戯曲「バージニアウルフなんか怖くない」で見事、2度目のアカデミー主演女優賞を獲得した絶世の美女といわれた女優のエリザベス テイラーが次に選んだのがこの戯曲作品でした。この戯曲はかつて黄金カップルと言われたアクロバット俳優のダグラス フェアバンクスとアメリカの恋人といわれた女優のメアリー ピックフォードが夫婦で共演をし話題となった作品でもありました。名優リチャード バートンはやっぱり演技が上手いですねぇ、野蛮で堕落的な男を実にコミカルに演じています、エリザベス テイラーは前の映画の役作りで体重を増やし、減量が追いつかずにまだまだ少しふっくらとしていますがそれでもやっぱり綺麗ですねぇ、演技もなかなかのもの、後、注目なのがこの映画でデビューをしたイギリス俳優のマイケル ヨークですねぇ、金髪にスマートな容姿が実に良く演技もなかなかのもの、彼は後年、「ドクターモローの島」で名優のバート ランカスターとも共演をしていますね、とにかくこの「じゃじゃ馬ならし」実にコミカルで力強く観ていて実に楽しい作品でしたよ。
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初期のハリウットスター夫婦、夢の共演作品として話題を呼びました、主演は女優メアリー ピックフォード(ポーリンの冒険)、俳優のダグラス フェアバンクス(最初のアクションスターで多くの主演作で正義のヒーローを演じました)、1960年代にあの類まれなる美貌の持ち主であった女優エリザベス テイラーと彼女の5番目の夫でもあった演技派俳優リチャード バートン夫婦が前作(ウァージニアウルフなんか怖くない)の大成功の後にこの作品をリメイクし、共演をし話題を呼びました、じゃじゃ馬とはこの場合、女性の事、富豪の娘ながら気性が荒く、貰い手のない彼女を持参金目当てに嫁にする男の物語り、痛快ギャグ要素満載の人間ドラマです、2人の息子(ダグラス フェアバンクス ジュニア)も父同様、アクション俳優でした、40歳で引退。