シュガー社員が会社を溶かす
面白くて一気に読んでしまった。ヘリ親とか言うんですね。言いえて妙です。世代的には、就職氷河期と言われた、団塊ジュニアの次の世代の人たちに増えている、自分に甘く、そのくせ自立していない若者たちを、会社でどう扱うべきかというすぐれて切実な問題を巧みに論じています。企業の総務部・人事部勤務の人たちは必読の書と言えましょう。ただ、一点だけ気になったことを書くと、戦後日本の労働界が連綿として引き継いできた労働組合的な視点から言うと、あまりに会社側の視点に偏りすぎている嫌いがある。休暇も含め自分の労働条件がどうなっているのかを最初に聞くのは、先進国では当たり前のことだろう。著者の方は優秀な社労士だと想像するが、年齢的にもお若いようなので、そもそも、そういう戦後日本の労働史についての知識がないのではないかという感じがした。
「シュガー社員」から会社を守れ! (PHPビジネス新書)
実際の事例があって楽しく読めました。
シュガー社員というネーミングは言いえて妙ですが、
シュガー社員にもいろいろ種類があって、タイプも
それぞれ特徴があるのも興味深かった。
俺リスペクト型にはどこの会社にもよくいそうです。
ただ、
会社を脅かすのは何もシュガー社員だけではないと
思います。給与だけもらって少しも仕事をしないぶ
ら下がり社員、人の噂が大好きで社内で所構わず撒
き散らすワイドショー社員、他人の誹謗・中傷が大
好きでポイントを稼ぐチクリ社員等いろいろいます。
向上心のない者はシュガー社員になるそうですが、
社内遊泳術だけで巧みに生き残るヤツもいるので、
その判別が難しいですね。
私は若者が嫌いだ! (ベスト新書)
年を取ると、誰も「最近の若者はけしからん!」と叫びたくなってしまうものらしい。
正直、精神科医に通う人たちだけを見て、これが今の若者の典型!と断言してしまうようなアプローチの仕方が的外れだと思われる。
そういう自覚が少しはあるのか、予防線や逃げ道のような文章を、いちいち挟み込むような姿勢もどうか。
不景気や都市化などにより、昔の共同体にあったような社会性を身に付けている若者も少なくなっていくだろう。
そういった時代の変動の中で、大人は若者に何を伝えるのか。
世話を焼くという意味ではなく、先達として示す。その矜持がこの本からは感じられなかった。
愚痴だけなら誰でも言える。その先を開くのが評論ではないのだろうか。
ブラック企業とシュガー社員
著者第1弾である『シュガー社員が会社を溶かす』では、
一方的に社員が悪いように扱われていて、
書評も賛否両論であった。
しかし、前著を経て3冊目の今回は、
『シュガー社員化させてしまうのには企業側にも問題がある!?』
よって、糖度の薄いシュガー社員は、
『何とか育てよう!?』ということになったようだ。
田北さん、だいぶ方針が固まってきたみたいですね。
実際、会社やマネジメントが圧倒的に悪い場合もあるので、
シュガーと言われている側の社員にも詳細なインタビューが
必要と思われます。
内容的には、
・出だしのシュガー社員糖度チェック
・後半のブラック企業度チェック
は面白かった。
私のかつて在籍していた2〜3の会社が、
実はブラックだったと判明………(笑)
あと途中、気になった記述で、
今の40代〜50代は自己犠牲を強いられた時代で、
若者のことなんぞわからんというようなことが
書かれていたが、今の40代に関してはちょっと違うと思いますよ。
彼らは、新入社員の頃は『新人類』と呼ばれ変わり者扱いされていたし、
3年で会社を辞めてしまう走りの世代です。
今では、新進企業の改革経営者であったり、
ノーネクタイや茶髪も居ますしね(笑)
先入観はいけません。
今回はシュガー社員の問題というより、
企業側への注意喚起、労務対策伝授という内容で、
有意義な読後でした。
但し、『俺リスペクト型+プリズンブレイク型』
の事例は凄まじかったですね…
これには参るかも……
職場のモンスター (マイコミ新書)
この著者は、社員側から見た職場の「いじめ」や「パワハラ」が
専門の著者だとばかり思っていました。しかし、今回の本は今まで
の本のスタンスとはガラリと変わっていたので正直、面食いました。
一通り読んだ感想は、最近流行のシュガー社員をかなり意識して
書いているのではないかということ。
「職場のモンスター」と命名しているが、実はこれは全部シュガー
社員のことを表しています。
労使間の問題は今後も尽きることはないでしょうが、社員を「こう
だからこうだ」「こういうヤツはこういう行動を取る」など一方的に
決め付け、カテゴライズすることは少々乱暴ではないかと思います。
人間の価値観は皆一人ひとり違うのですから。