南極越冬隊 タロジロの真実 (小学館文庫)
第一次南極越冬隊が昭和基地を建設してから50年の歳月が流れた。取り残され無人となった基地周辺で1年あまりも生き延びていたそり犬、タロとジロのことは知らない者がいないだろう。なぜ彼らは置き去りにされたのか、また南極での暮らしはどんなだったのか。50年というときを経て、南極での全ての記録を風化させたくないと、元隊員である著者が改めて筆を取ったのが本書。
期待に胸を躍らせて南極までやってきたものの、全てが初めての経験。基地の設営から荷物の運搬、犬たちの世話と訓練。これらの重肉体労働を極寒の中でやってのけた11人の男と犬たち。雪上車が通れないようなコースを犬ぞりで踏破し、未踏の地の観測を続けた彼らの命をかけた闘いの記録でもある。
犬たちを置いて帰ることは誰ひとりとして想定していなかった事態であり、断腸の思いで帰還したことがよくわかる。南極というのはそれほどまでに厳しい世界なのである。最後の最後まで犬たちの身を案じ、燃料を捨ててまで仔犬を連れ帰った操縦士の心情も察するに余りある。
第二次越冬隊は実現しなかったが、第三次に再び隊員として参加した著者はそこで生存していたタロとジロに再会した。犬たちの環境に対する適応力の高さのなせるわざなのか、生命力の強さなのか、もはや奇跡としか言えない。むろん残ったのはこの2頭だけで、その他の13頭は死んでしまっていたのだが・・。それらの死骸を南極の海に葬るときの気持ちを、著者はこう書いている。「私の胸はつぶれた」と。3回も続けてそう書いている。
やはり犬担当として第一次に参加した菊池徹さんが「犬たちの南極」という本を書いており、そちらもあわせて読むとより一層理解を深めることができる。
1/350 南極観測船 宗谷 第3次南極観測隊
このプラモデルは作るのが難しいですね〜(細かいし・・・パーツ多いし)
しかし、出来上がった時はすごいリアルに感じました!
買ってホントよかったと思いました!
不肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス
読み物として非常に面白い。
南極という極限状態がいかなる場所か、
ヒシヒシと伝わってくる。
あの手この手でネタをふってくるので
読書というのが苦手な方でも楽しめる作品ではないでしょうか。
ただ、あまりにもネタに走りすぎている部分も否めなく、
隊員の誹謗・中傷になっているのでは?という印象はぬぐえない。
読み物としては面白いかもしれないが、
これを読んだら観測隊として行きたくなくなってしまう人の方が
多いのではないでしょうか?一部のレアな人の心は掴むかもしれんけど。
南極探検隊に志願することも考えた小生だが、
読んでから完全に萎えたのは事実である。。。
この過酷な環境で1年4ヶ月は無理じゃ。。。
別の視点からの書籍も参考にすべきである。
またこの本の取材から10年以上経過して変わった部分もあると思う。
プロジェクトX 挑戦者たち Vol.19 極寒南極越冬隊の奇跡 2~南極観測・11人の男たち [DVD]
『運命の船「宗谷」発進』の続編です。
かつてこの国には偉大な人達がゴロゴロいたのだなぁ、と感心致します。
特に「到達不能地点」と呼ばれた地点に日章旗が翻るシーンが感動的でした。
『運命の船「宗谷」発進』と共に購入して損のないDVDです。
不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)
宮嶋氏の作品は何冊か読んでいるが、中でもこの本は最高に面白く、楽しい。
南極ってどんなとこ?トイレはどうするの?といった素朴な疑問まで詳しく解説し、特に、宮嶋氏ならではの下ネタもオンパレードだ。南極越冬隊の摩訶不思議な様子も写真付で紹介してくれている。
また、あとがきには宮嶋氏の作品に頻繁に登場する「Nドケチデスク」のコメントが添えられ、宮嶋氏の少しナイーブな一面も垣間見せてくれている。
ファンなら是非必読の一冊です。