続歌謡曲番外地 -恋のコマンド-
歌謡曲番外地の続編。冒頭、あきいずみ「バカンス」からエレキギターがうねるギンギンのロック歌謡でまずは先制パンチ。今回の目玉はラブ・ウインクス「恋のコマンド」に尽きる。B級ならぬC級の胡散臭さ、安っぽさ、艶かしさがプンプン匂い、その奇妙な色気に圧倒される。ジャケット写真も最高!
他にも、ねちっこいヴォーカルのグルーヴ歌謡、松島トモ子「コーヒーと子犬」、宗田まこと「夜光虫」など名作・傑作・重要曲が勢ぞろい。歌謡曲を聴く面白さの一つは、自分の知らない「埋もれた名曲」を探し出すことだとあらためて痛感できる1枚。歌謡曲の好きな人は買いです。一生手放せなくなること間違いなし。
真夜中の探偵 (特別書き下ろし)
『闇の喇叭』に続くシリーズ。
架空の日本が舞台。
日本は北と南に分断されている。
国家の統制は厳しく、
警察の力が圧倒的に強い。
そして、探偵の存在は、認められず、
探偵行為そのものが犯罪という世界。
前作のラストで、
友人の母を助けるために探偵行為をしてしまった少女。
その少女をかばって父は警察に捕まってしまった。
母は、すでに行方不明。
その少女が、
友人との甘い青春時代を捨て、
父と母の仕事を継ぐことを決意する。
しかし国家はあまりにも強大で、
あまりにも無慈悲。
そんな中、
父や、母の仕事仲間たちと出会い、
そこで、事件が起こる。
探偵行為ギリギリの線で事件が解決していく。
少女の一歩は、
まだまだ小さな歩みを始めたばかり。
母の存在もちらちらとうかがえる。
まだまだ続くシリーズとなりそう。
それにしても、
これまでの“新本格”とは全くタッチの違う小説。
新しい挑戦をしている作者に敬意。
夏の王国で目覚めない (ハヤカワ・ミステリワールド)
ライトノベル味、本格ミステリ味(絶海の孤島の別荘で…)
青春小説味、そんな味がお好みの方は是非どうぞ。
僕は加深という名前がどうも引っかかってしまうタチなのであるが、
ミステリとしては面白い。
森田芳光監督の『39 刑法第三十九条』という映画で、精神鑑定医の
役を演じた鈴木京香さんの役名が小川香深だったのである。