刀語 歌曲集 其ノ弐
7話〜最終話までのEDを収録した刀語 歌曲集其ノ弐。
ランティス所属人気アーティストが歌うEDはどれも名曲ばかり。
個人的なおすすめは「からくり眠り談」「亡霊達よ野望の果てに眠れ」
「時すでに始まりを刻む」の3曲。
特に「亡霊達よ野望の果てに眠れ」の力強い歌声とアレンジのカッコ良さは半端ない。
「時すでに始まりを刻む」と新録「いざさらば」は最終回まで見た人なら涙なしでは聞けないはず!!
歌曲集と称すならば1年以上前にマキシシングルでリリースされてるとは言えOPも収録して
欲しかったので星4つ。刀語ファンで限定版DVD/Blu-rayを持っていない人には特におすすめ。
大樹のうた 《IVC BEST SELECTION》 [DVD]
インドのサタジット・レイ監督によるオプー三部作の完結編。前2作同様、とにかくモノクロの映像が美しい。
オプーがカルカッタ駅付近を歩く姿、友人と舟で河を遡る場面、放浪の旅で目の当たりにする大自然・・などなど詩のような映像が随所で楽しめます。
俳優陣では、登場時間は長くないもののオプー妻が素晴らしいです。
縁談のトラブルから突然オプーと結婚することになった不安、カルカッタに来たときの哀しさ、そして美しく賢い新妻ぶりなどを、小さい動作と少ない言葉で表現する演技は本当に見事。
特に、新妻がカルカッタのオプーの小さな部屋に来て、密かに悲しみの涙を流すものの、窓から近所の子供を見て、精神的に立ち直る場面は、ひとつのセリフもないのに、彼女の気持ちの動きがひしひしと伝わって感動的。
妻が妊娠し、いったん実家に帰ることになる過程も、ひとことも「妊娠」という言葉が出てこないのに、見る人にそれを知らせるところも感心させ、その後彼女を失った後のオプーの喪失感が一層大きく伝わります。
振りかえると、この三部作ではいずれも女性がとても良く描かれているように思えます。
オプーの子供役も良く、父親を知らず、祖父にしかられてばかりいる哀しい目が印象的で、それゆえオプーと再出発するラストシーンはとても良いです。
最近では歌や踊りが満載のインド娯楽映画の楽しさが広く知られ、良い映画もたくさんありますが、
巨大なドラマでもなく、大きく盛り上げるわけでもなく、シタールなどの民族楽器を背景に、品格を持って淡々と人生を描きながら静かで大きな感動を生む・・このインド芸術映画はいつまでも残る傑作です。
平家公達の歌 (双葉新書)
「平家物語」に収録されている和歌を紹介した本。平家一門のみならず,源氏武者や宮中の人々の歌も余さず記載されている。
ほとんどは,清盛が死去して源平の合戦が始まり,一門が都落ちして衰退していく中で詠まれたものが多く,涙を誘う。
美しくも悲しい歌の一首一首に,人の世の哀れさ,はかなさを感じずにはいられない。
大地のうた 《IVC BEST SELECTION》 [DVD]
インドのサタジット・レイ監督によるオプー三部作の第1作。
ベンガル地方の村の自然とそこに暮らす人々を映したモノクロ映像が素晴らしいです。
森、池に浮かぶ蓮、雨・・次々と出てくる美しい映像の連続に魂が奪われていきます。
そして人物、特に女性の描写が良いです。
居候している家の主婦と諍いを繰り返しながら静かに死を待つ老女・・彼女が歌う彼岸に至る船頭の歌のなんとも言えない響き・・。
そしてオプーの姉ドゥルガ。まだ若いのに病気がちの彼女は自分の夭逝を感じており、友達の結婚式での美しい花嫁姿を眺めるドゥルガの美しく哀しい表情を映したカットの素晴らしいこと!
オプーと鉄道を見に行く場面や、スコールの中で長い髪を洗う場面も秀逸です。
インドのリアリズム映画というと、とかく貧困や階級制度をこれでもかと糾弾し、見ていてとても暗い気分になる映画がある中で、本作は貧困家庭を描きながら陰惨さがほとんど感じられず、リアリズム映画を超えた宗教映画というような趣があります。
3部作の第1作とはいえ、本作1本でも完結して見られる脚本で、とにかくお薦めの1作です。
サタジット・レイ監督 三部作 DVD-BOX
サタジット・レイ(母国の言葉ではショトジット・ライと発音するそうである)監督は、インドが生んだ大監督である。第二次世界大戦後、欧米では、ライ監督と黒澤明監督が、アジアの二大監督として、その名を広く知られた時期が有り、日本でも、ライ監督の作品は、高い評価を得て来た。
私は、1970年代に岩波ホールで上映されたライ監督の『チャルラータ』、『ミドルマン』、それにこの『大地のうた』『大河のうた』『大樹のうた』三部作他の作品を見て、深い感動を受けた。私自身、まだ観ていないライ監督の作品を観たくてたまらないが、どうも、若い人達が、ライ監督の映画を余り知らない事が残念でならない。
この三部作の中で私が一番好きなのは二番目の『大河のうた』である。この映画に描かれた母と子の物語は、忘れる事の出来無い物である。又、この映画(『大河のうた』)には、西欧とインドと言ふ主題が隠されて居る事も見逃せない。『大地のうた』の自然描写の素晴らしさも忘れられない。−−私は、あの、水の上に雨が降り始めるシーンが、大好きである。−−
若い人は、是非、この三部作を観て欲しい。この三部作は、あなたの人生に、必ず影響を与える筈である。
(西岡昌紀・内科医)