Amelia Bedelia 4 Mayor (I Can Read Book 2)
I Can ReadシリーズのLevel 2
語数 1,394 YL 2.0
Amelia Bedeliaは、Rogers夫妻の家のお手伝いさんです。とっても素直で、悪気
はないのですが、言われたことを「文字通り」受け取ってしまうので、しばしば
トラブルを起こしてしまいます。
この日、Mr Rogersが新聞を見ていると、市長が税金を下げると言っていた公約
を破り、税金を上げるとする記事を目にします。一方で何でも「言われた通りに
する」Amelia Bedeliaを見て、"You should run for the mayor's office."
と言ってしまったものだから、Amelia Bedeliaは、言われた通り、市長の部屋
まで走っていってしまいました…。
もう町の人にもすっかり有名になったAmelia Bedeliaが市長のもとに着くと、
そこには記者の人たちがいました。その中に入り、いつもの調子でやっていると、
やっぱりそこで市長と一悶着を起こしてしまいます…。そして、市長から"She
couldn't even be the dog catcher!"と言われたものだから、周りにいた記者
の後押しもあり、発言を撤回しなければ市長選に立候補すると言います。
それを知った町の人は、当然Amelia Bedeliaを支持する人が多く、いよいよ
現職市長との討論会にも出ますが…。
この本では、"run for", "put in two cents", "throw your hat in the ring",
"sit on the fence", "iron out"等々の表現が登場します。
こういった表現の意味の勉強にもなる英語読本です。こういった意味を分かった
上で読めば、「文字通り」受け取ってしまうAmelia Bedeliaの行動をより楽しめ
ると思います。
追われる男 (創元推理文庫)
名作。新訳で再登場です。
後半にいたるまで、この男が何に追われているのかわかりません。しかし、知恵と体を使って逃げる逃げる。洞窟の中で山猫と友達になったりして、なんとも渋いです。そしておぼろげにわかってくる彼の本当の敵ー。誰にも泣き言を言いません。それを抑えに抑えた文体が感動的に描きあげます。
冒険小説、スパイ小説の元祖というより、むしろ今日のハードボイルド・アクション小説の元祖ー、というような気がしますが、どうでしょうか。
図説 イギリス手づくりの生活誌―伝統ある道具と暮らし
19世紀の、台所を中心とした主婦の手仕事とその道具類が、
各ページ、豊富なイラストレーションと写真と解説とで埋め尽くされた、
大変貴重な資料集だ。
「これは過去の記録であると同時に、未来に向かっても刺激と示唆を与えてくれるようにと願って書いてきた。
未来が冷凍白身魚のフライやテレビスナックや合成繊維やプラスチック製のがらくたでは
ない方向にあるものと確信している。私たちの未来は本物の家の再想像にあるべきだ」
イントロダクションでそう書いている著者の想いが、きめ細かく暖かく書き込められてる。
1987年刊の「FORGOTTEN HOUSEHOLD CRAFTS」の和訳であるが、
小型になっているだけでなく紙質、書体、装幀共に見劣りしてしまっているのが残念でならない。
Skellig
一人暮らしをしていた老人が亡くなった後、残されていた古い家に越してきたMichaelの家族。
ペンキを塗り替えて、壁紙を張り替えて、荒れた庭を手入れして、池や花壇を造って…
その家は、生まれてくる妹を迎えるために、新しく生まれ変わるはずだった。
でも、家がまだ何も変わらないうちに、早く生まれてきてしまった妹。
妹について回って離れない死の匂いは、まるで、古い、荒れた家のせいのようで…
そんな不安に満ちたある日、
荒れた庭にある、今にも潰れそうなガレージの奥で、Michaelは埃や虫の死骸にまみれた男を見つける。
動こうともせず、助けを拒否し、ただただ、死を待っているだけのような男。
その男の背中に触った時、Michaelは、肩甲骨の場所に、何かがあるのに気づく。
人の姿をして、背中に翼を持って…
一瞬、‘天使’と形容してしまいそうになるSkelligの姿。
でも、Skelligは、決して、無垢で清らかな存在ではない。
埃にまみれ、虫の死骸にまみれて蹲っていた、投げやりな姿、
中華やビールをおいしそうに飲み食いする俗物性、
虫や獣を食べる肉食獣の臭い、餌の獣を丸呑みするフクロウのような習性…
でも、そんなSkelligが命を取り戻していく姿は、確かに美しい。
フクロウが運ぶ餌を食べるシーンは、
下手をすれば嫌悪感が沸いてもおかしくない光景なのに、なぜか、とてつもなく美しい。
残酷で、優しくて、美しい。
感動、と言うのとはちょっと違う気がする。
清らかでも無垢でもない、残酷で強くて、しなやかな命の美しさが心に残る。