上方漫才まつり <昭和編> 第2集 [DVD]
大阪の毎日放送が1979年から年2回のペースで放送している番組が、このDVDである。この番組は、当時、吉本興業と松竹芸能のタレントが一緒に同一の番組に出演すると言う事は、今では当たり前の事だが、当時としては画期的であったし、非常に珍しい事であったのを毎日放送は、実現したのは、毎日放送の相当の努力があったからではないでしょうか。
1980年に始まった漫才ブームの火付け役となった漫才コンビがこのDVDに多数入っているのが嬉しいし、例えば、春やすこ・けいこ、西川のりお・上方よしお、ザ・ぼんち、太平サブロー・シローなどがそれに当たり、これらのコンビは、後にフジテレビ系の番組「オレたち・ひょうきん族」で活躍していたのは、現代でも有名な事である。
特に、太平サブロー・シローの漫才がめっちゃおもろいし、サブローさんの的確な突っ込みに対し、シローちゃんの独特のアクのあるボケとが見事にマッチした、最高におもろい漫才コンビであると思うし、横山やすし・西川きよしと同様に僕の大好きな上方漫才コンビである。
しかし、残念な事に1980年の漫才ブーム時の人気コンビで、島田紳助・松本竜介が収録されていないのが唯一の不満な所です。この漫才もめっちゃおもろいで~!
あと、大好きなコンビは、レツゴーじゅんさんがめっちゃおもろい、レツゴー三匹や上方の正統派しゃべくり漫才で超ベテランの夢路いとし・喜味こいしなどが、私の大のお気に入りの漫才コンビです。
DVDの最後にこの番組の司会を始まった当初からされている浜村淳さんが、上方漫才の事を浜村節で喋っておられるのが、めっちゃ興味深かったです。
また、上方漫才まつり1と3も同時にお勧めでっせ~!!
澤田隆治が選んだ 爆笑!漫才傑作集(5)
このシリーズの中で、珍しい漫才さんが登場しているのがこのCD。相方の玉枝の顔の長いのを売り物にして、ネタのそこかしこに「うま」が出てくる「玉枝・成三郎」のコンビの漫才は、このCDでしか聞くことが出来ない貴重なもの。≪万歳の神様≫とされ業界では「師匠」と呼ばれるのが普通のところ、「砂川捨丸・中村春代」の捨丸だけは、「先生」と呼ばれていた。80歳を過ぎても舞台に上がっていた捨丸の面白さは、聴かないとわからないであろう。はじめて「お笑い金色夜叉」を聞いた時の事は忘れられない。高齢で飄々とした捨丸の顔が全く笑わずに演じる漫才は、その客席とは正反対。客席は爆笑である。「三遊亭小円・木村栄子」、「ミスワカサ・島ひろし」は、大阪漫才の代表的存在。栄子の口の悪さは、有名。ミス・ワカサの早口は、立て板に水どころか立て板に水ならば滲みこむ間があるが、立て板に玉である。どちらも女性が男性をやり込めてしまう漫才。「夢路いとし・喜味こいし」には、説明も不要であろう。
夢路いとし喜味こいし 漫才傑作選 ゆめ、よろこび しゃべくり歳時記 [DVD]
買って以来、何度も観ている。そしてその度に腹を抱えて笑ってしまう。でもその後で、このコンビを生で観ることができないと思うと、本当に寂しくなる。
特に晩年の2人は、名人の至芸としか言えない境地になっていた。大げさな動きもなく、不自然な言葉も使わず、観客が嫌な感じを持つことが全くない。しかし知っている話でも、同じ所で笑ってしまう。
映像としては、まだまだ残っていると思うので、第2集、第3集を出して欲しい。
彼らの芸は、次の世代にも残しておかないといけない。
いとしこいし 漫才の世界
~戸田学がまたやってくれた。とてもいい。いとしこいしの漫才がよみがえり、理解が深まり、心底大笑い。
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エッセイと論文に挟まれた「名作選」は、ぜひ声を出して読んでみよう。途中でおかしくておかしくてたまらなくなってしまう。交通巡査、ジンギスカン料理、ファーストフード、どれもあの雰囲気、あの語り口、あの間がよみがえる。「弟は下です」「妹はオトコです」 どれもネタを知っているのにおかしくてたまらなくなる。
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エッセイを読むと、彼らが上方文化に与えた影響の広さと深さを再確認できた。ちょっと「論文」と題された部分の内容が弱く思えるが、まあいい。名作選のところだけで、5星。~