名作文学(笑)ドラマCD「山月記-世界の中心でアイを叫んだ獣-」
このシリーズが大好きで購入に踏み切りました。
山月記か…どんな脚色で遊ぶのかなァとあまり期待していなかったのですが、よくぞ裏切ってくれました!
脚本で巧い具合に遊んでくれています。
そしてそして、これはやはり、大物声優陣3人だからこそ、ここまで面白くなったのだと思います。
仮に若手の方々が演じていたら、ここまで深みは出なかったと思います。
ナイスキャスティングです。
フリートークも和気あいあいと、笑えます。
迷っている方は、思い切って聴いてみて下さい!
山月記
iPhone5にkindleを入れて、初めに読んだのがこの作品になります。
この格調高い文章で綴られた不思議な物語を初めて読んだのは、高校生の頃だったでしょうか。
当時、自尊心ばかりが強く、そのくせあまり努力もせず、そういった者の常として、何の根拠もなく、何時かは何者かにはなれるのだろうと自惚れていた若者にとって、非常に強く印象に残った名作であり、もはや初老といっていい年になって、ただ懐かしさから、再読してみました。
結局私は後世に残るようなことは何もしなかったし、もちろん異形のものにもなれなかった。
今はただ、今の若者にこの作品を読んでもらえたらと思います。
『山月記』(星海社朗読館) (星海社FICTIONS)
彼女のファンには申し訳ないがこの作品にあってないと思う。
じゃあ、ダレがいいんだよ?といわれても、私はその辺とんと疎いのでわからんのですがね。
この前TV見たの何ヶ月前だっけ?
こういう話なんで、もっと茫漠というかさびしげな感じがあってると思うですよ。
イラストは、がんばった、じゃないですかね。
はずしてはいないと思うですよ。
コレ以上を望むほうがムチャなだけですね。
新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)
森見登美彦は、書店で何の気なしに手に取った『夜は短し歩けよ乙女』がたいそう面白く、その他の本も読んでみたいと思っていた。ら、書店でこんな奇妙な本を見つけてしまい「これは読むしかないでしょ」と即購入。
で、買ったその日のうちに、一気に読み終えてしまいました。だって、もう、むちゃくちゃ面白かったんだもの!
太宰治の「走れメロス」を始め、中島敦の「山月記」、芥川龍之介の「藪の中」、坂口安吾の「桜の森の満開の下」、森鴎外「百物語」の5編の…どう言えばいいのだろう。現代版リライト?文豪へのトリビュート?それとも単にパロディでいいのか?とにかく、以上5編、それぞれの舞台を現代に移し、主人公を京都の大学生に置き換えることで、全く違うような、それでいてコアの部分は同じであるようなお話に書き直しています。
しかし、いやいや、これは本当に面白かった。この人の文体は一歩間違えばラノベ調となってしまいかねない軽さを持っているのだが、深いインテリジェンスに裏打ちされていることで単なる軽薄・浅薄となることをちゃんとまぬかれていて、このテンポの良さは読んでいて素直に小気味よい。
表題作「走れメロス」なんて読みながら爆笑の嵐だし、そのためかレビューでも「可笑しい」「笑った」といった表現が目立つのだが、それだけに留まらない奥行きがあることも書き添えておきたい…他の四編はむしろ「笑い」よりも「ペーソス」を感じさせる。殊に「桜の森の満開の下」(ちなみに、私はこれの安吾のオリジナルがそもそも大好きなのだが)には、読んでいてじんと胸を打たれるものがあった。
なお全5編のうち、最後の「百物語」だけはオリジナルを読んだことがない。森見版を読んで、鴎外のもちゃんと読もうと思いました。
ところで、この人のお話って伊坂幸太郎みたいに、細部でリンクし合っているのかな。「夜は短し〜」ともリンクする部分が散見されて、そういう他作品との繋がりに気づけるとニヤニヤできる、というような楽しみ方もありそう。
敦 山月記・名人伝 [DVD]
もうこの方たちは「萬斎劇団」とでも名前をつけたらいいんじゃないかと。
今まで和のテイストを取り入れた作品はいっぱいありましたが、大体は西洋演劇スタイルを和風にしたものです。
しかしこの作品は、狂言(というより能の手法ですね)という和演劇のスタイルから現代演劇を創り出しています。そしてなかなかよくできてます。
出演者みんな狂言師なんですよね!踊り/舞はもちろんですが、間とか笑いも絶妙です。
あとは、敦が「山月記・名人伝」という作品で伝えたかった事や心の叫びがもっと表現されれば、余韻も残るいい作品になると思いました。