モーツァルト:フルート協奏曲集
モーツァルトのフルートと管弦楽のための作品を収録したアルバム。1984年の録音。ペーター=ルーカス・グラーフ(Peter-Lukas Graf 1929 - )はローザンヌ室内管弦楽団を自ら指揮してこれらの楽曲を1964年に一度録音している。
グラーフはスイス生まれ。20世紀最高のフルート奏者と言われている。私が音楽を聴き始めたころ、グラーフとランパルという2大フルート奏者がいて、古典的なグラーフ、現代的なランパルというような対比があった。今ではもちろん他にもオリジナル楽器を含む様々な録音があって、価値観も選択肢も多様になったと思うけど、それでもこのグラーフの演奏は人気が高いと思う。
当盤に収録されているモーツァルトの楽曲についてまとめておきたい。ここに収録された4曲のうち、オリジナルの作品はフルート協奏曲第1番とフルートと管弦楽のためのアンダンテのみである。「アンダンテ」は、これらの楽曲をモーツァルトに依頼したフェルディナン・ド・ジャンが、協奏曲第1番の第2楽章の別版を要求し、それに応じてモーツァルトが書いたもの。
一方で、フルート協奏曲第2番はオーボエ協奏曲を編曲したもので、「フルートと管弦楽の為のロンド」は「ヴァイオリンと管弦楽のためのロンドハ長調K373」を編曲したもの。それなので、フルートの音域をすべて使った、フルートらしさを満載した名作としては何と言っても協奏曲第1番を挙げることになる。モーツァルトがフルートという楽器を気に入っていなかったのは有名な話で、これは当時の楽器の音程の悪さが要因のようだけれど、ド・ジャンの好条件の依頼にも作曲はあまり気乗りしなかったと伝えられる。それでいてこの「名曲」を生んでしまうあたり、天才の「底のなさ」を推し量るものだと思う。
グラーフのフルートの音色はとても落ち着いている。旧録音では、グラーフの指揮スタイルがややソフト・フォーカス気味だったのだが、この84年の録音では、(録音技術の進展ももちろんあるのだけれど)レッパードの指揮がむしろシャープな面を持っているため、フルート・ソロの音色の特徴がよりはっきりと出ている。また、低音の安定感も特筆できる。協奏曲第2番は、原曲のオーボエ協奏曲が名曲なだけに、フルートならではの音の抜ける感じを強調したいところだと思うが、グラーフは特にこだわりを持たず、落ち着いた風格を感じる音楽に仕立てていて、まるではじめからフルートのために書かれた音楽のような自然な安らぎを感じさせてくれる。
超天才モーツァルトの神秘2「情操・知育の教育者モーツァルト」
最近は、モーツァルト効果に重点を置いたモーツァルトのCDが、いろいろ出てきてますが、
これは、モーツァルト効果の本家本元・第一人者のトマティス博士の理論に基づいたものです。
このシリーズの特徴は、帯にある「トマティス博士のメソッドに基づき」の言葉通り、
確かに、トマティス・メソッドが入ってます。
他のモーツァルトのCDと比べると、高音域・高周波が強めに出ていること、
また、曲全体の音の流れ方に一定のリズムがあり、耳に体になじみやすいことが、その証拠です。
本CDは、「情操・知育のモーツァルト」とあり、ずばり、「胎教向け」ですが、
テンポのいい曲が多いことから、朝の目覚ましや、何かの作業をゴリゴリするときにいいかな?なんて思ってます。
もし、「モーツァルト効果」を求めるのなら、本家本元のこのシリーズのCDをオススメします。
ヘンデル:フルート・ソナタ全集
数あるヘンデルのフルートソナタ全集の中で、これほど集中力をもって聴き終えた記憶がありません。
ヘンデルが幼い頃に作られた作品もありますが、完成度の高さに驚愕したのもこの演奏があったからだと思います。
超天才モーツァルトの神秘3「潜在能力の開発者モーツァルト」
モーツァルトの音楽が分かる方や効果を期待している方にはいいと思います。
私のようにベートーベンの方がしっくりくるタイプの人には向かないかも知れません。
基本的に音楽は好みに合うものを聴くからこそ、脳も本来の力を出せるのですから。