ピアノロマン
アコースティックで自然体。さりげなくソウルやジャズのエッセンスもブレンドした知的でお洒落なサウンド。ギルバート・オサリバンやエヴリシング・バット・ザ・ガールのようなAOR,あるいはトニー・リッチ・プロジェクトあたりのアコースティック・ソウルが好きな人ならお薦め。
特に,流麗でジャジーなピアノにホーンセクション,しなやかなグルーヴがお洒落な「求愛ラプソディー」。レイトナイト向けのゆるやかで落ち着いた空気とは裏腹に満たされぬ切ない想いを綴った感傷的なサビが印象的な「Slow River」,爽やかなのにどこか感傷的な雰囲気が漂う「フワリ」の3曲が素晴しい!
これに続くのは,流麗なピアノを基調に,包み込むような優しさと,切ないまでの愛おしさを表現したバラード「If」や,ウォーキングテンポのベースラインにホーンセクションを多用したアップテンポ「Dance〜華と龍〜」,パステル・カラーのように淡く郷愁を誘う「Hello」か。
もっとも,このグループはこれだけでは終わらない。単にAORを直輸入するのではなく,「AORの種を,歌謡曲〜ニューミュージック〜J.ポップスの土壌にまいて育てたら,こんな風になりました」的なユニークな一面も。「深くもぐれ」なんてレゲエのようにもサザンのようにも聞こえるし,「愛燦燦」はタイトルからして歌謡曲meetsラテン・ミュージック。
とあるニュース番組で紹介されていたのがきっかけで聴いてみたグループだけど,こりゃしばらくハマリそうだな。