日本版グリーン革命で経済・雇用を立て直す (新書y)
この本の内容を知らずに環境政策を語るのはモグリである。
そこまで断言しても全く問題ないだろう。
執筆者による質のばらつきと突っ込み不足はあるが、
それを補って余りある質の高さは評価できる。
それぞれの執筆者の主張を幾つか引用すると‥‥
飯田哲也氏 (→ 必読!)
○自然エネルギー市場は急成長し、自動車産業を超える
○自然エネルギー普及の最大の障壁は、電力業界の「幕藩体制」
○日本には強固な原発利権が存在し、合理的議論を許容しない
○若い世代は旧態依然の日本の環境政策に不満がある
○世代交替や政権交代により環境政策が一気に前進する
筒井信隆議員 (→ コスト計算が苦手?)
○日本はバイオマス大国、間伐材は余っている
田中優氏 (→ 大胆な発想、やや断言し過ぎ?)
○日本の発電所はムダだらけ、ピーク時電力料金を引き上げよ
○電力会社は安く買い叩いた風力発電の電気を4倍以上の暴利で売る
○カーボンファイバーの風車なら騒音の心配なし
○新潟県に世界一の効率を誇るペレットストーブ会社がある
飯田氏による原発利権への厳しい追及に期待したい。
筒井氏は北欧のバイオマス燃料転換を研究されると良いだろう。
経済危機の分析がいい加減な評者が多いのは気になるものの、
全般的には得るものが多い。
しかし残念ながら雇用については以下の著書の方が詳しい。
グリーン・ニューディール―環境投資は世界経済を救えるか
ダズハント (ヤングガンガンコミックス)
元々Webコミックだったんですが作者のプロデビューを機に単行本化されました
一見、本編とは関係のない回想が少しずつ理解できてくるのが爽快で
一冊に上手くまとまっているのも好感触
ただしコミック化する際に手が加えられてないので少し絵が粗いのが気になります
今現在でも作者さんのHPで公開されているので参考にすると良いです
マンホール 2 (ヤングガンガンコミックス)
1巻で広げられた風呂敷、
その謎が徐々に解き明かされて行きます。
しかし、主人公たちが
謎に近づいて行く間にも、
バイオテロは着実に進んでいて……
難しいテーマを
わかりやすく、そして面白く読ませてくれる
作者の技量には唸らされます。
キモい絵も多いので、
苦手な人は気を付けて!
メゾン・ド・ヒミコ The Original Soundtrack of “La Maison de Himiko”
おもちゃ箱系のエレクトロニカ、ラウンジ系、エキゾチック系、逆回転系(?)など、細野氏のバラエティーに富んだ音楽性が楽しめる作品に仕上がっています。不思議で静かな異国情緒を漂わせた曲が多いです。楽器の音のバリエーションも耳を楽しませてくれます。本当の意味での無国籍な音楽と言えましょう。OMNI SIGHT SEEINGやSWING SLOWが好きな人に特にお薦めです。
マンホール 1 (ヤングガンガンコミックス)
冒頭から最後まで一気に読まされた一作。作者の画力は相当なものです。バイオ・ホラー漫画の傑作と云えましょう。読後、何だかカラダがムズムズしてきました。
ネタバレになるのでこれ以上は書きませんが、私はこの漫画で初めてエガス・モニス(159頁)という歴史上の人物の存在を知りました。1949年に「ある種の精神病に対する前額部大脳神経切断の治療的意義の発見」(要は、いわゆる統合失調症患者に対するロボトミー手術のこと)でノーベル生理学・医学賞を共同受賞したそうですが、晩年自分の患者(被ロボトミー手術者ではない)が撃った銃弾が脊髄に命中して身体障害者となり、1955年にポルトガルのリスボンで死去したそうです。なお、アメリカなどでは、今でもロボトミー手術で廃人になった当事者やその家族らが、彼のノーベル賞取り消し運動を行なっているそうです。(まあ、当然だと思いますが・・・)