推理小説常習犯―ミステリー作家への13階段+おまけ (講談社プラスアルファ文庫)
はっきり言って(いや森雅裕さんの為にはヒッソリ宣伝したくもある、フクザツな気持ちなんでありますが)これは暴露本であります(笑)
こんな本を書いてしまうヒトだからこそ永遠の初版作家(本人談)などと呼ばれてしまうのでしょうが、森雅裕の本音まるだしで小説の書き方にとどまらず、ギョーカイのことを語っております。ある意味抱腹絶倒(謎)、ファンにはたまらない一品か、と。
高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-
「吹けば飛ぶような出版社が、吹かれて飛んでしまった作家の本を出した!」
とこの本を形容したら、成甲書房の方に怒られるだろうか(森雅裕氏本人にお会いしたことは無論ないけれども、氏ならこれくらい何とも思わないのではと勝手に予測している)。
恥ずかしながら、それなりの数の本を読んできたもののこの出版社の名前は寡聞にして知らなかったので、この本の情報を最初に目にしたとき、とっさに上記の感想を抱いてしまったのである。甚だ無礼ではあるが、正直な感想としてご寛恕いただきたい。
職人気質の性格と編集者に恵まれなかったことが災いし、出版業界から爪弾きに遭った不遇の作家・森雅裕(私は歴は浅いけれども氏のファンであり、『推理小説常習犯』は古本屋を駆けずりまわって手に入れた程である)。その氏が「食いつめてコンビニでバイトをした体験記を書いた」と新聞広告にて知り、慌てて買いに走った次第。
早速開いてみるが、(商業出版物としては)10年ぶりの新作であるとはいえ、1ページ読めば、全く衰えることのない森節とわかり一安心。後は一気呵成に読了した。
芸術家等の一般にはとっつきづらい世界でも、鮮やかに描き出せる氏の筆力に、コンビニというこれ以上ないほど身近な舞台が加わったのであるから、これはもう鬼に金棒、その生々しさたるやただ事ではない。
「現代社会の縮図」という使い古された表現があるが、その表現がぴったりくる内容である。笑える部分もしんみりする部分もタメになる部分も、たっぷりと詰まった一作であると保証する。
一読書子のネットでの書評など、それこそ風の前の塵であろうが、ここでレビューを書くことで一冊でもこの本の売り上げが伸びればと思い、ここに乱文をしたためた。
願わくばこの本が好調に売れ、作家・森雅裕にさらなる作品を執筆せしめる余裕を与えんことを!
モーツァルトは子守唄を歌わない (講談社文庫)
ウイーンの街を舞台に、ベートーヴェンと弟子のチェルニーが、モーツァルトの死の謎に迫っていく。風景や人物、出来事の描写も分かりやすく臨場感が溢れ……
と書くとただのミステリだが、本作品は、音楽室に飾ってある額縁の中で仏頂面をしている、あのベートーベンが主人公!更に、弟子のチェルニーと掛け合い漫才(?)をしてしまうのだからとんでもない。ギャグ漫画のようだが、トリックや推理もしっかりしていて、本格的なミステリ作品でもある。
さすが、デビュー作にして、乱歩賞受賞作!
挿絵が「パタリロ!」の魔夜峰央氏なのがまたウケる。このちんちくりんがあのベートーベン?!
モーツァルトファン、ベートーベンファン、チェルニー(ツェルニー)ファンは必見、そうでなくともお奨め!
空中庭園 通常版 [DVD]
ルールはおかしな家庭だが、
だからこそ
隠すべき大切な秘密があって
なんとなく空虚で
日当たりがよい幸せそうな家。
それを必死で守ろうとしている母親
そんな家は
この世の中にあふれているんじゃないかと思った。
そんな家がたくさん集まって
この都会の中にも
ぎゅうぎゅうとひしめきあっているから
なんだか、息苦しかったり
無意味な感覚に襲われたりするんだと思う。
そんなことを考えた映画。
BREAKING GENERATION
当時高校生だったメンバーが、たった1年弱の間に全てのオリジナル曲をつくり、月に何度もライブをこなした。自分達でチラシ(今はフライヤーって言うんだっけ)をコピーし切り貼りし、レコード屋に置き、ライブハウスの外で配って告知した。タバコの煙と大声じゃないと聞こえない会話の中で、パンクの音が踊ってた。ルート66は、キャッチーで楽しい曲ばかりだ。これが当時高校生だった彼らがストレートに、70年代パンクの音にのせてくるんだから、カッコ悪いわけがない。決して巧くないけど、最高にピカピカで怖いくらいにカッコいい。7月には当時のメンバーでライブをやるらしい。あの頃のライブハウスを感じることができる絶好の機会がくる。