100,000年後の安全 [DVD]
フィンランドのオンカロプロジェクトのドキュメンタリー。
無機質な使用済み核燃料プール。
厳選された音とキャスト。
発破工の仮眠所で微笑むヌードポスター。
一人ではちょっと怖かったので、
フィンランド語をたしなむ友人と観に行きました。
100,000年後の生物に
”この地に放射性廃棄物が埋設されている事実”を
どう伝えるか。
…文字(フィンランド語?英語?)?
ピクトグラム?砦のような建造物?
村人の子孫に口伝えを義務化?…???
識者たちが真顔で討論する場面は、苦笑するしかありませんでした
(しかも7万年後には氷河期がおとずれるという)。
「ミツバチの羽音と地球の回転」と比べ、
こちらのほうが、映像、音響ともに素晴らしい分、重く響く。
じゃあ日本はどうするのか。
原発を今なお稼働させたがっている人、
今止めたら経済が回らないよという人にこそ、
まず観てもらいたい。
浅井隆氏(アップリンク社長)の言葉より
…54基の原子炉を持つ日本はオンカロをいったいいくつ作ればいいのでしょうか。
途方に暮れます。そして日本に地震の影響を10万年にわたって受ける可能性が
ない場所などあるのでしょうか。(略)
日本に住む私たちにとって、この映画が、放射性廃棄物処理の問題を
先送りする事なく、思考停止することなく、思考放棄することなく、
この時代に解決するのだという「覚悟」を持つきっかけになればと思います。
Scattering of Ashes
ティム・ロス<G,Vo>率いるカナダ産メタルバンドの4枚目。
音楽性は豊かで幅広く、1つのジャンルではとても括りきれない。正統派メタル、パワーメタル、スピードメタル、メロディックメタル、プログレッシヴメタル、スラッシュメタル、デスメタル・・それら総ての要素を含んでいる。
前作から、またも編成が変わり、その影響もあってか今作はよりメタルの攻撃性が高まっているように感じられる。
驚くべきは新加入のリードボーカリストのステュウ・ブロックで、高音域〜中音域〜低音域のスクリーム、デリケート歌唱、デスボイス等、ありとあらゆる歌唱で貢献している(たまに他メンバーによるコーラスもあるが)しかも、ライブでも瞬時に歌唱を切り換えられるらしく、実際に実践出来ているとのこと・・。全く驚異のシンガーだ。
演奏力も確かなバンドで特にティム・ロスによるギターは玄人筋からも評価が非常に高い。
それは本作を聴けば頷ける。
尚、ミックスを手掛けているのは引く手数多なアンディー・スニープ。メタルらしい音作りをさせれば今や、彼の右に出る者はいないだろう・・。
Buried in Oblivion
カナダのプログレ・デスメタルバンド、イントゥ・エターニティの3rd。2003作
ひと言で言うと、デスメタル風味のあるプログレメタル。
巧みなギターフレージングに、テクニカルで展開の多い楽曲、
ノーマル&デス声のツインヴォーカルと、さまざまな要素を持ったサウンドで、
北欧メロデス的要素に加え、DREAM THEATER以降の(もっといえばPAIN OF SALVATION以降の)
プログレメタリックな展開美とミクスチャー精神が感じられる。曲がとてもせわしなく、
展開の多いわりには印象に残らないというこの手のジャンルならではの難点はあるものの、
これを変態ととるか、新たなPROG METALの再構築ととるかで楽しみかたは変わるだろう。