【映画パンフ】タンポポ 伊丹十三 宮本信子 山崎努 渡辺謙
『タンポポ』は見るたびにラーメン食べたくなる映画ですよねー10年以上前で既に海外で日本映画の話しても『タンポポ』知られてたし、それぞれの登場人物の個性が強烈。そしてこんなレイアウトのパンフレット他にないんじゃないだろか。新聞記事みたいに余すところなく見出しと写真とキャストの発言が・・・いや、新聞記事ならそのページ内に収めるよね。それくらい濃いパンフレット。ちなみに謙さんの見出しは「ラーメン?狂ってる」。笑
明日の記憶 [DVD]
本を読んだときも感動しました。でも、映画も本を読んだときと同じ
くらい感動しました。
バリバリの仕事人間だった佐伯を襲った突然の病、「若年性アルツ
ハイマー」。病気の宣告を受けたときの驚きと戸惑いと絶望と、悲しみ
と・・・。渡辺謙さんの演技は本当に迫真に満ちていました。
及川光博さん演じる医師との会話、そして会社で一緒に仕事をした
人たちとの別れの場面には涙しました。でも一番涙が出たのは、本も
映画もラストでした。いつかはこういう日が来るのだと分かっていて
も、佐伯の妻(樋口可南子さん)の気持ちを思うといたたまれなく
ります。
原因も治療法も分からないこの病気。決して人ごととは思えません。
いつもの日常生活がかけがえのないとても大切なものに思えました。
いつの日か、この病気の治療法が見つかることを祈らずにはいられま
せん。
インセプション [Blu-ray]
こんだけの設計図どうやったら頭の中で作り出すのだろうか。
こんなの作ろうと思いついたとしても、ここまで物語を膨らまし、なおかつラストまできれいに仕上げることは到底無理だ。
驚嘆に値するよ。
散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道
クリント・イーストウッド監督の映画に感動した人は、再び心を激しく揺さぶられること必至の、力作ノン・フィクションだ。アメリカ側の視点(星条旗掲揚の写真にも筆が及ぶ)も加えて、硫黄島の激戦で日本側の作戦をたて、指揮した総指揮官・栗林中将(死後大将となった)はどのような人で、どんな準備をし、どう戦ったのか、そして太平洋戦争での硫黄島の戦略的意味について理解が深まる。栗林中将の子供達に面会して大本営宛の訣別電報が改竄されて発表されたことを突き止め、硫黄島の地下壕を実際に訪れる等、取材の労力が十分に生きている。
大本営から見捨てられた状況下で、本土への攻撃が少しでも遅くなるように、あるいは終戦交渉が有利に運ぶことに望みを託し、苦しく生きることを部下に強いて単純に死に走るのを厳禁し、他の戦場での失敗例から学んで地下壕を張り巡らせてのゲリラ戦を選択した合理的精神。兵士と寝食を共にし、指揮下の兵士で顔を知らない人がいないほど、常に現場にいた将。まさに「常に諸子の先頭」にあった理想的リーダーだ。その将が実は米国通で、家族思いの人だった現実(本書には肉筆の絵手紙等の写真も収録)。劣悪な環境で米軍をして敵ながら天晴れと尊敬されるほどの戦闘を展開した、敢闘精神と自己の責務への忠誠。こんな立派な日本人がいたことを誇りに思う。孤立無援の中で苦しい生の末に死んだ兵の無念を込め、大本営宛に「散るぞ悲しき」を含む辞世とともに日本の敗因を指摘する訣別電報をうつ勇気。しかし、大本営は失敗例に学ぼうとせず、不都合を隠蔽する。その体質は今でも解決されていない、中将から突きつけられた日本の宿題だ。
遺骨収集活動、日米の兵士の再会、そして今上天皇が硫黄島を訪れて、中将の辞世に呼応して詠った御製等の鎮魂活動には胸を打たれる。何より本書自体が硫黄島に散った日米双方の兵への立派な鎮魂の賦だ。