会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)
だって、著者の山崎氏は、実際に転職もし、会社でも仕事をし、実活動を
たくさんしたのですから、仲介でアドバイスするやからの話よりリアルです。
もちろん、高学歴、高収入で、ハイレベルな業種、業界(金融証券という伏魔殿)の
勝ち組エリート層ならではの経験と論理、万人にあてはまるわけ
もない、という思いもありますが、しかし、やっぱり経験豊富な方の
経験談は充実していて情報やアドバイスは貴重。
私は2回読みました(珍しくも)。それほど、役にたちます。
転職を繰り返して、独立するかどうかは、読者個人個人の判断だし、
ここまで書かれている、転職経験者の話は、そんなにめったに聞けない
(読めない)ですし。会社の選び方や面接の注意点や転職した先のなじみ
方まで書かれているのは、かゆいところに手がとどく感があります。
特に若い社会人にお奨めですし、もっと早くこの本を読んでいたら、と
思う個所もたくさんあります。勝間氏の「会社に人生を預けるな」という
リスク・リテラシーの覚醒を説いた本がありますが、それよりももっと
現実的で経験に裏打ちされた、泥臭い就職、転職市場話が満載です。
2年で辞めるかどうか、は、個人の判断ですが、しかし、国や会社の寿命が
ここまで短く、かつ、安定のないものになった以上、会社に生きながらも
稼げる道もたてていく、というのは、副業も含めて当たり前の世の中。
サバイバル・キャリアを考えて、会社に翻弄されない、負けない人生と
付加価値を自分につけるためには、最近稀有なお奨め本です。
誰かが言った、「自分を客観的に見ることができる」という言葉が
ぴったりな、ちょっと怖い、その山崎氏の冷静さと、込み入った文体を我慢すれば、
新書にしてはページ数が多い本書は、でもどんどん読むことができます(と思う)。
社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?―イエスマンこそが会社を救う
最近小山社長の本を集中して読んでます、本書もその一冊です。
弱者の戦略というランチェスターの一倉さんがベースになって営業戦略に触れています、
ちがう点は著者が貸しおしぼりという実業でそれを実践した経緯を語ってくれている点。これは貴重です。
本書のテーマは幹部がなすべき役割を掘り下げてきます。
なるべき役割をまず理解していないと、なろうとおもってもなれない、間違った努力をしてしまう可能性があるわけです。それを回避するために本書を読むわけです。
実施のスピード、1日で実行できるのが役員であり一生実行できてないのが平社員だという区別はわかりやすい。
特にひっかかったのは間違った決定を下した時の幹部の対応のちがい、間違っていると思っても即座に実施して結果を社長に見せるのが優秀な幹部であると言い切っている点。これは全幅の信頼を得ていない社長でないと通用しないとおもう反面、ワンマン気の強い中小企業で求められていることなんだと気づきました。
失敗をタダの失敗で終わらせないしたたかさについて解説していますが、このしたたかさ(強かさ)という言葉ほど社長という生き物を的確に表した表現はないと思います。
ロイヤリティカスタマーを区別して満足させる、マーケティングでは当たり前の理論ですがわが身に振り返った場合悪い意味での悪平等化が起きていないか?ドキッとさせられました。
本書の内容をきたない!とか泥臭い!と感じる方はしあわせな方です、どうぞ幸せなサラリーマン生活を堪能してください。
人生を無駄にしない会社の選び方
確かに「こういう会社ありそう」って感じのブラック企業のことがよくわかりました。
しかし、この本では「あなたがブラック企業だと思う会社は本当にブラックなのか?」ということに関しても述べられています。これは非常に大切なことだと思いました。確かに労働時間が長くて自分に負担であっても、他社との生存競争があるから多少はしょうがないし、その頑張りを、ちゃんと評価してもらえるのならブラック企業とは言えない。そういうことを詳しく教えてくれます。