涙の倉庫番スペシャル 047-048 倉庫番モバイル

シンプリー・バロック(2)

ヨーヨーのチェロの音は素晴らしく、聴く誰もが、引きずり込まれそうになると思います。テクニックも素晴らしいのですが、音楽にのめりこんでおられるような雰囲気がGOOD!バックのアムステルダム･バロック管弦楽団＆トン･コープマンも美音を奏でており,アンサンブルなどは、今までのバッハ演奏で培ってきた高いレベルの演奏だと思います。録音も素晴らしくさすがＤＳＤの良さ（デジタル臭くない）が存分に発揮されていると思います。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番&第9番

庄司さんにとってよく研鑽を積まれたうえでの満を持しての録音あることは、その丁寧で決して過剰にならない古楽演奏スタイルを昇華させた表現に明らかです。特に２番はバイオリンの方が背景に沈むことが多いにも関わらず、自らのアルバムでこのような選曲をされたことに敬意を評したいと思います。力任せに情熱的に弾くことばかりを追い求める昨今の日本の若手バイオリニストとは一線を画するノーブルで味わいのある表現になっていると思います。また、２番でのカシオリのみずみずしく清冽なピアノは全く押しつけがましいところがなくバイオリンと見事に融合し特筆に値する名演ではないでしょうか。ただし、ジャケットの庄司さんの写真は、彼女の意外な側面を切り取ろうとしたのだとは思いますが、このアルバムの内容や彼女の持っている清潔さや上品さとはほど遠いものになっており残念です。