そして生活はつづく
ミュージシャンや俳優、映像ディレクター、そして文筆家として才能を発揮していて、そのルックスから優しく誠実な印象も与える星野源。
でも、本書を読むと、なかなかのダメ人間みたい。
携帯料金の支払いがなかなかできなかったり、洗面台をびしゃびしゃにしてしまうことに悩んだり、人付き合いが苦手だったり。
題材はほとんどがタイトルのように普通の人の生活。
その意外なダメっぷりに笑ったり、同じダメ人間からすると「あーわかるわかる」とおもったり、単純におもしろい。時折出てくる「仕事仲間のK」に正論を言われて凹むところも笑える。(Kってカクバリズムの角張さんでしょうか笑)
でも、そんなくだらない話の中で語られる星野さんの考え方にはすごく共感するところがあったり、考えさせられることがあったり、得るものも多かったです。
「生活」は苦手でも、しっかりと自分を持った人なんだなーと思い、親近感を抱くと同時にやはり素晴らしい曲を作るだけのことはあるよなあ(偉そうですみません)なんて納得させられました。アルバム「ばかのうた」のルーツも垣間見えた感じがします。
テンポの良い文で読みやすくおもしろいのと、ひとつひとつのエッセイはそれほど長くないので、何度も繰り返し読んでいます。
星野源ファンはもちろん、全てのダメ人間におすすめです!
ちなみに、下ネタも結構出てくるのですが、あまりにもさらっと書かれているからか、文体のせいなのか、星野さんの人柄のせいなのか、女性の私が読んでも全然不快に感じさせないのがすごいとおもいます(笑)。
去年ルノアールで ~深煎りブレンド~ [DVD]
主人公の私は暇な文筆家、日課は喫茶室ルノアール通いだ。
昼下がりの午後三時、いつも私はここでブレンドを飲んでいる。
小さなきっかけで誇大妄想を膨らませる私が味わい深い存在。
妄想状態に陥った私の様々な表情、特に困っている時が笑える。
『いや、違う』と現実に戻るもつかの間、すぐに別の妄想へ。
最後は、何故か納得して、スイートな音楽とともに幸せな結末。
ほんとうにどうでもいい緩い妄想に引き込まれ笑ってしまう。
これも私を演じる星野源の語りと表情の豊かさによるのだろう。
どんな場所でも生活に幸せを見つけることはできるんじゃない?
そんな問いかけを日々に苦しむ人達に、自分にしたくなる作品。
独特の緩さに心暖かくなる。さあ今日より明るい明日を妄想しよう。
ちなみに、私自身の一番のお気に入りは本上まなみ出演の4話だ。
エピソード
「くだらないの中に」は
初めてラジオで聴いた時は
いい感じの歌だなぁと思いつつ、
歌詞にちょっと笑ってしまいましたが、
聴くたびに、じわじわと心にしみて、
いつの間にか忘れられない歌になっていました。
少しハスキーな声がいい。
そのままで、飾らなくて、力が抜けている感じが心地よい。
ゆるくて、ちょっととぼけてて、
かっこつけず、正直で、
ゆったりとしたアコースティックな音が気持ちいい。
さらりと軽いようで、浅くない。
しみじみと、聴けば聴くほど心に残っていく。
噛めば噛むほど味が出るスルメのような歌達であり、人であります。
星野さんの歌を聴くと
たわいのない日常の生活を大切にしなさいな、
と神様に言われているような気がします。
ぐうぜんのきろくファイナル [DVD]
つい最近、ベースの田中馨が抜けて新体制となったSAKEROCK。歳を重ねるごとに星野源の作曲能力が鋭さを増し、今後の動向にますます注目が持たれるSAKEROCKだが、この映像は新体制になる少し前の油の乗りきった4人のSAKEROCKの勇姿が余すことなく映しだされている。
台風本州上陸という大ハプニングに見舞われたにも関わらず、まるで彼らの舞台を用意しているかのように天候は回復し、満員の日比谷野外音楽堂は熱気に溢れ、奏でる音楽は余命幾許の残暑のセミでさえ思わず留まり聴き入ってしまうほど!このような映像記録としてきちんと残してくれたことを本当に感謝したい。誰かに。角張さんに?
私はまたSAKEROCKを好きになってしまった。
夢の外へ(初回限定盤)(DVD付)
数日前に有線でふと耳にして,この歌はなんだろうと思っていたら
また数日後にCMで流れていたのをたまたま聞いて,この歌の正体を知りました。
それまで良い曲だなと思える曲を久しく聴いてなかったので
夏らしい心地よさと爽やかさに感銘を受けました。
曲調も歌詞もとても好みでブックレットに書かれている歌に込められた思いを読んでから
さらに良い歌だなって思いました。
DVDの内容もMVだけでなく,ライブドキュメントなど,シングルなのにかなりのボリュームです。
MVの雰囲気が楽しそうな感じで観ているこちらも楽しくなりました。
少し興味がわいてきたのでこれ以前の曲も聴いていきたいと思います。