裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)
・・・とか、被告に向かって裁判官が語ったという
「あなた、切迫感ないんですよ」「いい加減、これっきりにしてください」
「犬のうんこですら肥料になるのに、君たちは何の役にも立たない」
「次回公判までに反省文を出しなさい」
「言葉は悪いが、単なるロリコン、単なるスケベおやじ」
「私も中学時代、いじめに遭い、つらい思いをしました」
「傘の先端が尖っている必要があるのかどうか、皆さんも考えてみてください」
「もうやったらあかんで。がんばりや」
などといった名言・迷言がずらり。
元・司法浪人の著者のまなざしは、ときにシニカルでしばしば暖かい。
たったの2時間もあれば、ゆっくり味わいながら読めます。2時間をかけるくらいには値する本。
全思考
今の世の中にまったく媚いることなく、素直に自分のことばを発しているビートたけしさん。
この姿が、殿と呼ばれるゆえんだと思う。
自分にもハッと気づかされる言葉がたくさんありました。
教育の親父は、子どもに嫌われないようこびるんじゃなくて、嫌われるくらいが丁度いいということ。
和を大切に、言葉が大事にされ過ぎてて、世の中おかしいと自分でも感じれるようになりました。
人生を変えれる、たくさんの言葉がつまった本です。
鬼ゆり峠〈上〉 (幻冬舎アウトロー文庫)
この種の本の最高傑作は「花と蛇」が定説ですが、この本もそれに勝るとも劣らない作品です。
作品が時代もので、そこに仇打ちと言う設定があり、更に、卑怯な手口で返り討ちに会うと言うもので、その間のいたぶり具合が、SM小説として真髄になっています。
そこには、武士階級と言う裃を着た世界の住人と言えども、素裸になれば生と性しかなく、その強いられる責苦ではあるものの感情の高ぶり興奮は抑えきれないものだと言うことでしょう。
このあたりの描写、筆致は、流石にこの世界での第一人者の風格を感じさせてくれます。
ただ、導入部のお駒や雪之丞・お小夜の部分は無くもがなと言う気がします。浪路・菊之助に話を集中した方が、小説としての纏まりは良かったような気がします。