吐息と稲妻 (りぼんマスコットコミックス クッキー)
谷川先生の2冊同時発売の単行本です。
全く独立した短編が5本+告白物語(あとがき)が収録されています。
短編集としてはバラエティに富んでいてよいかと。
グッと引き込まれる話はやっぱり表題作でしょうか。
年々登場人物の年齢が上がってきて、話も結構現実的になってきて
いますが、これはちょっとSFちっくです。
でも盛り上がりがあって、すきっていう気持ちがぐわっと出ています。
短編メインの作家なので、結末をすべて描かず、読者というかキャラ
クターに預けてしまう話が増えてきています。
本書でも「星空スイマー」「雪の女王」はそんな話で、これは読者が
どれだけ登場人物に感情移入できたかによって読後感が左右される
かと思います。
「吐息と稲妻」は悲しい話ですが、最後にドーンと展開するので、
その分主人公の気持ちがどわっと流れこんできて、読後の胸いっぱい
感が強く出ました。
個人的には『君と僕の街で』のようにある話の脇役が他の話の主人公に
なる手法の方が読みやすいのですが、1つの話がコンパクトなので、
お気に入りの話をちょこちょこ読めるかと思います。
炎のアルペンローゼ シンフォニー編
マンガのファンだったのでアニメは見なかった。
イメージ壊れることが多いから。
ただ、キーワードになる「アルペンローゼ」がどんなふうに歌われたのかはずっと気になっていて、
たまたま見かけたCDのジャケットのレオンに惚れて購入。
「オーストリア交響曲」も「アルペンローゼの歌」も悪くない。しばらくメロディーが頭から離れないだろう。
ただ、久石サンのコメントがいただけない。
そりゃ自慢したくもなるだろうが、あくまでも「レオンハルト・アッシェンバッハ作曲」という夢を見させてほしかったし、
どうしたって彼にはアニメの音楽が精一杯なのは一聞瞭然(笑)なんだから、モーツァルトになった気分で、というのは見苦しい。