ペリ環状反応―第三の有機反応機構
炭素炭素結合形成に対して、クロスカップリングなど、最近の有機金属試薬を駆使した反応を提案する人が多い中、本書で解説されているようなペリサイクリックな反応を逆合成の中に組み込む事を提案できる人は意外に少ない。立体を制御しつつ一挙に複数の結合を構築する事ができる点で使いこなせば非常に有用な手段であるにも関わらず、立体選択性に対する理解が不十分であったり、転位を伴う事から、敬遠されがちなのが現状なのでしょうか?有機化学の教科書では、要点だけがまとめてられているケースが多いですが、本書は、この手の反応にスポットライトを当てて、丁寧に説明してくれています。オックスフォード大学のOCPシリーズは、各論を丁寧に解説してくれている点で優れていますが、特にこの手の本は和書ではほとんど見当たりません。ウッドワードホフマン則と分子軌道論を詳細に解説するところから始まり、電子環状反応、ディールズアルダー、キレトロピー、双極子反応、クライゼンやコープ転位などのシグマトロピー反応まで、分かりやすく解説してくれています。日本人が見落としがちなところにも、しっかり教育のメスを入れるところはさすがとしか言い様がありません。お勧めです。
日本の科学者101 (ハンドブック・シリーズ)
本書は鬼籍に入られた日本の科学者101人の方を2ページでその生涯と業績を解説するもので、日本の科学や科学の歴史に関心があり、科学史を学ぶ人の必携本といえます。レビュー者は科学に関心がありながら、本書によって歴史の中の科学者のほんの一握りの人しか知らないことを改めて認識させられました。また、子供時代に読んだ本の知識に対して、本書によって驚かされたことが色々あります。野口英世の業績に関わることもそのひとつでした。
本書は「本書を通して関心の高まった科学者について更に別の文献を探して読む」という楽しみも提供してくれます。
We can make it!(初回限定盤)
前作の、弾け感とでも言うべきSpringらしさを受け継ぎつつ
甘酸っぱさ=若干の、切なさは抑えめで
始まりの季節にピッタリくる、あくまで前向きな雰囲気に仕上がっておりますっ!
非常に聴きやすく、たのしく聴ける♪
もはや嵐のお家芸とでも呼べる塩梅の、等身大の男子らしい可愛らしさがとてもヨイ♪
またボーカルに関しては
大野君の、なんとも言葉に尽くしがたい‥‥“情”のようなモノを強く含んだ
声が非常にナイス★で、あとの4人のボーカルも
あくまで垢抜けすぎず、しかしながら、スキルが付いてきたのか
非常に伸びやかで、楽しげで、キチンと核を支えています!
また、アレンジもキュートで、エレクトロニカ・ティックな音も可愛い★
春らしさとテンポ感に拍車がかかってて。
キュートな男子アイドル・ソング!
クールぶるばっかじゃ、男もつまんないからね。
瞳のスクリーン(初回限定盤)(DVD付)
「瞳のスクリーン」は前作の「真夜中のシャドーボーイ」よりも、身の丈に合っていて違和感がない。ドラマ「左目探偵EYE」の主題歌としても、歌の内容とドラマの内容(というか厳密には印象というべきか)がリンクしていて、その点でも違和感がない。(前作の「真夜中のシャドーボーイ」はドラマ「スクラップ・ティーチャー」の主題歌になっていたけれど、ドラマの内容との関連がなくてちょっと違和感があった。)でも、「Romeo&Juliet」をテレビで先に見てしまったので、「Romeo&Juliet」が本当の新曲だと思っていたので、初回限定版に「Romeo&Juliet」が入っていないのが残念。テレビで「Romeo&Juliet」を歌うメンバーの笑顔が自然で素敵だった。格好いい系の曲も良いけれど、こういう明るい曲の方がこのグループのカラーにはあっているような気がする。メンバー一人一人の素直な性格がにじみ出ているようで、見ていて楽しい。(前作でも、「スクール革命」の方が出色の出来映えだったような気がする。)でも、「Romeo&Juliet」は入っていない。お財布事情の厳しい中高生のことも考えて、カップリングは「Romeo&Juliet」にしてほしかった。結局、通常版も買わなければいけない。この販売方法はどうなんだろうか?「Johnnyさん、がめついぞ!」と言いたくなる。もっと、ファンのお財布事情を考えてほしい。(儲かってるんだから!)「Romeo&Juliet」のことばかりになってしまったけれど、「瞳のスクリーン」も、古い言葉で言うと、「青春」という感じでいい。このグループには本当にがんばってほしい。
夢を持ち続けよう! ノーベル賞 根岸英一のメッセージ
2010年ノーベル化学賞を受賞した根岸英一氏の半生をコンパクトにまとめている。
口述記録なのか、平易な文章ですいすい読める。受賞理由であるクロスカップリングに関してもわかりやすく説明があるので専門知識がなくても楽しめる。
ノーベル賞を取るような方が小中学生時代はどんな生活をしていたのか、どんな関心を持ち研究や進路選択をしてきたのか、興味ふかく読めた。
また、研究職の採用や昇進など米国の大学制度と日本の比較に関する説明も面白かった。
「卓越性の追求」「適性を探すには、いろいろな局面においてコンペティティブであること」などの言葉が印象に残った。能力のある中高生などにこの本を読ませたら意気に感じるところが多いのではないか。