Goro Matsui&Koji Tamaki Ballad Collection Only You
わたしが初めて玉置浩二さんを見たのは小学校高学年のときで、安全地帯がヒット曲を飛ばしていた1980年代の頃でした。
初めて見た玉置さんの顔に、わたしはなぜか「悲」という漢字を連想しました。似ていませんか? 玉置さんの顔と「悲」って。「悲しみにさよなら」が年間1位になったときだったせいもあるかもしれませんが。
それでわたしは勝手に「この人は悲しみをいっぱい抱えた人なんだ」と思いました。なぜって顔に書いてあるから。でもその分だけ優しい気持ちを持っている暖かい人なんだろうなって。
そのせいか、玉置浩二さんのバラードは、とても暖かくて、優しくて、懐かしくて、美しいんですね。最近ではMISIAの「名前のない空を見上げて」を聞いて、いい歌だなあと思ってよく歌っていたんですが、玉置さんの作曲と気づいたのは後からでした。
わたしは日本が失くしてしまった大切なものを、玉置さんの曲から感じるのです。ひょっとすると玉置さん自身もそれを探しながら、日本人に取り戻してほしいと訴え続けているのではないかと思います。時代を経て、玉置さんはいまの殺伐とした日本人の心に絶対に必要なアーティストだとわたしは確信しています。
このアルバムは遅まきながら2005年に出会いました。しかし、いま聞いてもすばらしいバラード集です。ここ一ヵ月ぐらい虜になってしまい、家の中、車の中、旅行中、寝る前と、ヘビーローテーションで流していたため、嫁さんからさすがに「そろそろ違う曲かけて」と言われています。
わたしが好きなのは特にディスク1で、その中でもお勧めは「あなたに」「only you」「Juliet」「ほほえみ」「まちかど」「Too Late Too Late」「To me」「朝の陽ざしに君がいて」の8曲。
眠る前に聞いてみてください。きっと疲れた心を癒し、懐かしい気分に子供の頃を思い出し、暖かくて優しい気持ちになれると思います。
MUSICATION
「明日がくるなら」でJUJUとduetし、注目を集めたJAY'EDの1stアルバム。
ノリノリなダンスチューンから、泣かせるバラードまでJAY'EDの魅力と幅を堪能できる。
近年、J-POPの男性ソロR&Bアーティストは女性のそれに押されていて、いまいちパッとしなかったけど、このアルバムを聴く限り、JAY'EDには期待が持てそう。
何年後かに、J-POPの地図を変えたターニングポイント的なアルバムの1枚として取り上げられる、そんなアルバムになりそう。