日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方
「iPhoneとツイッターで会社は儲かる」の著者、EC studioの山本氏による新しい働き方の提案です。
(参考)iPhoneとツイッターで会社は儲かる (マイコミ新書)
山本さん率いるEC studioは、リンクアンドモチベーションのサーベイで、2年連続「社員満足度No.1」に輝いた、希有な会社です。その驚愕のワークスタイルを全てさらけ出して紹介してくれているのが、本書です。
かなりユニークで画期的なその手法を数多く具体的に紹介してくれていますが、本書の肝は、個別のツールやテクニックではなく、会社というもののあり方を考え直す示唆に富んだ提案にあります。会社と社員の関係を見直して、生産性を上げるために、常識にとらわれず、有効と思える施策を実施し続けた結果、社員満足度が高くなったというわけです。
その手法の一部を抜粋します。
・顧客に会わない・電話を受けない
・ランチトーク制度
・iPhone支給制度
・強制退勤制度
・利益を生み出すかもしれないものに投資する
・Skypeチャットでメッセージの履歴を残す
・会議の参加人数は4人まで
その他にも様々なアイデアが本書では紹介されています。今すぐにでも自社に取り入れたいと思う内容です。ですが、ちょっと待ってください。これらの施策は「会社の一番重要な資産である社員を大切にすること」と「生産性を極限まで高めること」の2つの経営方針があるからこそ上手く機能しているのです。したがって、小手先の導入では、多少の効果は得られても、継続して高い効果を得ることは難しいと思います。まずは、自社の実態を把握し、EC studioさんとの乖離を見極め、経営トップが本気で社員の満足度と生産性を高めることを決意して初めて導入効果が得られるのだと思います。
是非、多くの経営者の方に本書をお読みいただき、変革を志して実行し、結果多くのビジネスマンが会社へのロイヤリティを高めつつ生産性を向上させ、ひいては日本経済の発展に繋がるといいなと心から思います。
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD]
『電車男』同様に、原作は2ちゃんねるのスレッド様式で書かれたものでした。
映像化に際して、これをどう処理するのか、脚本家は悩むでしょう。
主人公のマ男に突っ込みを入れるタイプ打ちがほどほどに入ってきて、上手く作ったなぁと好感が持てる作品に仕上げられていました。
ブラック会社というと、かなりやばい仕事をしている会社なのかと予想したのですが、就業規則があって無きがごとき会社を指しています。
ここで登場しているのはITプログラミングの会社です。徹夜徹夜の仕事が続くことで有名ですが、ITに限らず日本の会社にはこのタイプは多いですよ。
一昔前にはモーレツ社員がいました。今はモーレツはきえてきましたが、経済のヒエラルキーにはめられた過重労働やエゲツないマネジメントを行う組織は依然としてなくならないですね。
日本の主要産業は海外とのコスト競争に晒されているため、企業経営の立場ではどうコストを押さえ込むかが切実な課題になります。
そのツケは多くの場合下請けに押し付けがちです。
その結果、ブラック会社が現るのでしょう。切実な問題が含まれているように感じられました。
また、マ男が高校中退のニートであったのですが、社会が門戸を開いていない状況も身につまされました。
意外と根深い社会問題が背景になっているように思えました。
「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方
自分と同じ年、1979年生まれが活躍してくれるのは嬉しくて
前々からチェックをしていた駒崎さんがついに出版!!
内容の感想としましては
NPOを設立した経緯も確かに面白いですが
最初に出てくる大学生が親に言われている内容は
そっくりそのまま自分も言われてて
「そうだよね、なかなかわかってくれないよね」とみょ〜に共感したり
IT社長時代のやりとりがとても楽しかったです
ビジネス文章の違和感や幸せの捉え方って奴がおもしろかったです。
そして高校時代の留学の話や受験の話
逆に言うと1冊でまとめてしまうのがもったいない!!
もっと各々のステージの話をもっと詳しく知りたくなりました。
この本は一般的には
○ソーシャルベンチャーに興味がある人
○働きマン並に働いている女性
に読んでもらいたいのは勿論
ある切り口では
『怒涛の20代を過ごした赤裸々なノンフィクション小説』として
キャリアパスを考えている就職活動生・高校生などにもお勧めしたい一冊です。
リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間
私はホテルではないサービス業に従事しています。
本書の最初のほうは、「ああ、やっぱり一流の世界の話じゃ、畑が違うな…」と、平たく言うと「引いて」しまい、別世界の物語として楽しもうか程度に読み進めました。
それはもしかすると、面接で応募者をグランドピアノとタキシードでお客様のように出迎える、そしてその企業理念を共有できない人はふるい落とされていく…という本書の内容の部分と、似ている状況だったかも知れません。
しかし、本書の一番の驚きは、面接の初対面や本書の冒頭で、つまり最初は「引いて」いた人間にも、誠心誠意を示しつづけることによって、相手にもそれが伝わる、ということが理解できてしまったことでした。たった一冊の本によって、私にはこのホテルの誠意が伝わった。では私が毎日直接接するお客様には、伝わらないわけがあろうか…?
日々、サービスを逆手に取る横柄なお客様に対して不満を募らせることもありましたが、私にできることは、まだ沢山あって、もしかしたら自分の会社の気風を変えることだってできるかもしれない、…と読後には少々大げさすぎるほどの活力を授けてくれる一冊となっていました。
この業界と関係のない仕事の方でも、本書の内容に、心動かない人はいないのではないか。つまり、「働く」全ての人に、読んで欲しい素晴らしい一冊です。