ツァラトストラかく語りき 上 (新潮文庫 ニ 1-1)
ニーチェはマルティン・ルターのドイツ語訳聖書にならって、平易なドイツ語でこの著書を書いたといわれている。にもかかわらず、竹山道雄の日本語訳は、日本語が難しすぎる。ドイツ語で読んだ方が、よっぽどわかりやすい。これでは、この著書が難解で、取っつきにくいという印象を読者に与えてしまうだろう。
ただし、各ページに注釈がついているのは、役に立つ。
ビルマの竪琴 [DVD]
やはり音楽というものは、人の苦労を癒し、慰め、そして平和的な人を創るんでしょうね。隊長が音楽をたしなんでいたので、苦しいときも皆で合唱して乗り越えてきたという隊員の言葉もそうですし、休戦を知らせに来たイギリス軍に対し、結果的に音楽で応え、イギリス軍も音楽で応えるというET的構図。たぶんこれは、絶対スピルバーグが未知との遭遇の時ヒントを得ているはずです。一方で終戦を迎えているのに玉砕していくのは音楽とは縁の遠い軍隊。音楽が好きだから平和的なのか、もともと平和的な人だから音楽が好きなのか、それはわかりませんが、音楽は心の余裕をもたせてくれます。その心の余裕があって初めて人としての本質や、大切なことを客観的に見れるということなのでしょう。戦争中に竪琴を弾けるようになった水島兵は、その音楽と共に物事を客観的に見れるようになったのでしょう。水島兵の心の変化も、音楽によって表現されていると思いますし、最後のシーンで、蛍の光を奏でて自分の気持ちを音楽に託すというのも、素晴らしい演出です。そういえば、戦時中は音楽は禁止され、軍歌が歌われたとか、、。まったく、それは、自ら余裕の無い状況に追い込むようなものですよね。正常な判断などできるわけがありません。音楽よ永遠に!戦争の無い世界に!
若きウェルテルの悩み (岩波文庫)
「私は別れて、別れ際に、今日のうちにもう一度お目にかかりたい、と頼んだ。ロッテはそれをきいてくれた。私は行った、このときから、日も月も星も依然としてその運行をつづけながら、私にとっては昼も夜もなくなり、全世界は身のまわりから姿を没した。」(岩波文庫42ページ) ゲーテは「もし生涯に『ヱルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら、その人は不幸だ」と言っている。まさにその通り!
恋に気づいた日、その本人にしか知りようがない美しい物語が残される。ゲーテのこのくだりはそんな美しい一日を書き留めていてくれる。まだ経験したことのない人にはあこがれを、すでに経験した人には感慨をもたらす。さすが文豪ゲーテ。
余談:『若きウェルテルの悩み』高橋義孝訳の新潮文庫版では36ページ。どの翻訳に先に出会うかは、運命としかいいようがない。ついているかついていないか。岩波文庫に先に出会った私は幸運だった。みなさんにも同じ幸運がありますように。
ビルマの竪琴 (新潮文庫)
なんとなく名前は知っていましたが、実際読んでみると
小中学生だけに読ませるのはもったいないくらい名作だと思いました。
戦争を描いた作品は日本の戦火の悲惨さを訴えたものが多いですが
(例えば野坂昭如「ホタルの墓」臨死体験したい方は高畑勲監督の
アニメをドーゾ)海外から宗教と社会の関わりあい方について
深い考察がされたこの作品は大変考えさせられました。
袈裟を着るか、軍服を着るか、どちらの国民が上でどちらが
優れているのか。という問いかけが本にありました。
私はビルマで袈裟を着て修行をするほど、度胸はありませんが
ぜひ一度はミャンマーに足を運んでみたいと思いました。
この本は他社の版より、活字が大きくふりがながふられています。
解説も丁寧で読書指導の別冊がついているので小学生から高校生の
読書感想文のネタにも最高なので、是非おすすめです。
ビルマの竪琴 [DVD]
戦争映画の多くは悲しいものや、人間の非道な部分も描かれていますが、この映画の特徴は、登場人物のほとんどが優しくて純粋な人ということです。
日本兵に終戦を伝えるために、英国兵とインド兵が肩を組んで歌を歌い、日本兵もそれに続いて大合唱になるシーンなど特にそう思います。
一人ひとりの優しさ、純真な思いが時に切なく、時に暖かいです。
ビルマ独特の仏教の建物、現地の人々、そして歌にも見所があります。「埴生の宿」は特に心に残りました