両手のない猫、チビタ
野良猫の、野良猫による、野良猫のための本。
交通事故と思われる猫の怪我。
生きようという意志と、自分の子供のように援助しようとする著者。
事故や障碍から、這い上がっていく様子を、心あたたまる写真と文でつづっている。
自分では、人間であれば、ひょっとしたら痛々しくて見られなかったかもしれない。
猫だから、違う視点で見られたかもしれない。
生きようという意志の大切さを感じた。
獣医さんや、周りの人、周りの猫の援助や協力や無視があってこそ、
今があるのが分かる。
写真も、野良猫らしい現実味があって素敵です。
ps.
本書を見ながら、猫や野生動物が、交通事故にあわないようにするにはどうしたらいいかを考えた。
動物が交通事故にあわないように考えることは、子供が交通事故にいあわないようにする仕組み、運転方法、機能に貢献できると感じた。
可児のくろひげ獣医「思うところありまして」
動物好きな人はもちろん、そうでない人も楽しめるエッセイです。
共同通信社を経由して全国の地方紙に掲載されたエッセイをまとめて出版されました。
このエッセイ、お世辞抜きにとても面白いです。
先生の感性と歯に衣を着せない性格から動物に対する本当の思いやりと愛情が伝わってきます。
それに文書がとてもお上手です。
この一年で読んだ本で一番面白かったくらいです。
読み終わった後に何だかスッキリした気分になります♪
ぜひ沢山の人に読んで頂きたい1冊です。
僕としては没原稿も読んでみたいです・・・
Alice in wonderword
心をバラバラに砕いて、それを少し丸い形に再構築してくれるような
強烈な切なさとノスタルジー、そして優しさを持った楽曲を生み出す
古川本舗さんのメジャー第一作。
原曲への思い入れは人それぞれでしょうが、
アレンジによってダメになった!というものは個人的感覚では無し。
ボカロの無機質さも独特の味わいがありましたが、
人間の息吹が吹き込まれた作品たちには温もりがさらに増しています。
一流スタッフによって仕上げられた音質も素晴らしい。
アートワークも文句無し!
歌い手さんについて。
僕は「歌ってみた」系の動画はほとんど観ないのですが、
技量だけなら非常に高い人たちばかり。プロと比べてもほとんど遜色ありません。
ただ、他人の作った曲を歌う上での個性の出し方や感情の込め方等に関しては
やはりかなりの差があると言わざるを得ません。
古川さんもやはりニコニコ出身の方であり
そこで知り合い、力を認めた友人たちと作品を作り上げたい!
という思いは強くあって、結果こういうコラボレーションが成立したのでしょうが
正直、古川さんの才能をフルに生かすには少し足枷と感じる部分があるのも事実。
今回もカヒミ・カリィさんや野宮真貴さん、拝郷メイコさんら
プロの方との仕事が実現しているわけですから、
いっそ一枚通してプロとのコラボレーションで製作してみても良いのではないか。
次回作に望むのはそのあたりです。
個人的には土岐麻子さんとか。
とはいえ、全体としては非常に満足していますし
古川さんの才能がついにメジャーの場に出たというご祝儀も含めて星5つ!
ボカロPとかニコニコ動画とか関係なく、
極めて良質な日本産ポストロック・エレクトロニカを聴きたい人は是非!