時をかける少女 [DVD]
尾道三部作のあの名作を
なんと角川春樹、自らが監督してリメイク!
とこれだけで、見たくなる一品。
作りは、かなりオーソドックスで、
大林宣彦版に比べると作品内に流れる時間もゆるやかだ。
画面の美しさは、やはり大林版に見劣りする感はあれど、
監督が何を大事にしているかが伝わってくる。
これで主演の中本奈奈に、原田知世並みの透明感があれば作品の評価もグッと上がるだろうに・・・。
監督の弟の芸能事務所所属の中村俊介とこの中本奈奈を使ってくれと言われたからなのか、そこが惜しい。
手前に物を置いた、いわゆる「ナメshot」がお好みのようで多様されているが
ラストシーンでロウソクの炎ナメで走る芳山クンのカットが、
燃え盛るのは「恋心」のようで非常に良いカットだった。
角川映画スペシャル
里見八犬伝のテーマ曲を聴いてずっといいなあ、と思っていたのですがどこにも売ってなくて、ネットで探したらサントラは廃盤になってて、あきらめてたら、やっとこのCDを見つけました。やっぱ最高!何度聞いてもいいですね。あと、「セーラー服と機関銃」など懐かしいナンバーも入っていて、これもまた最高です。
汚れた英雄 デジタル・リマスター版 [DVD]
大藪作品の映画化はほとんどが失敗作だと思っています。たとえば銃に対する大藪氏の愛着、こだわりが生かされていません。松田優作出演の映画で、オートマチックを撃ち尽くした後ですべての薬莢を手で排莢している映画までありました(泣)
しかしこの作品に限っては大藪氏の2輪そしてレースへの愛を存分に表現していて素晴らしいものに仕上がっています。角川氏の監督としての才能に脱帽です。
もちろん主人公のダーティな面が出てこない点など原作と異なる点は指摘するまでもありません。しかし2輪レースのディテイルを丁寧に表現していく中で、紛れもない大藪作品、それも最高の作品に仕上げられています。終盤のトップ争いで、併走するカメラがとらえる美しくも暴力的なシーンでは路面の凹凸を拾ったカメラのブレさえも見るものの心を動かす効果になっています。
改めてDVDで見ましたが、オープニングの「あの」ミュージックから最後のテロップが流れ終わるまで、またクギ付けになってしまいました。